海外生活で最も心配なことの1つが、その国の医療事情です。ベトナムの医療レベルは日本と比較するとまだ低いものの、近年先進諸国からの援助などにより改善傾向に あり日本人医師常駐の医療機関も増えています。
ベトナムには、公立病院、私立病院、外資系病院という3つのタイプの医療機関があります。医療サービスの質は一般的に高いとは言い難い実情がありますが、軽症のケースの対応には大きな問題はありません。また、近年では高度な医療を手がける病院も増えています。
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公立病院にも外国人デスクを設置
公立病院のなかにも、国立チョーライ病院(ホーチミン市)のように先端医療を手がけていたり、外国人専用デスクを設置している医療機関もあります。
ただし、基本的に紹介制のため患者の9割以上がベトナム人となっており、病床数に対して患者が圧倒的に多く、入院施設が対応できていなかったり、外来も非常に混雑しているなどの問題点があります。
VINグループなどの民間病院も増加
ベトナム資本の民間医療機関も増えています。VINグループが運営するVINMEC国際病院やホンマイ病院グループなどは、国内に病院やクリニックを展開しており、富裕層や外国人を対象とした特別病棟を設置しています。診療費が外資系病院ほど高くないので、人気が高まっています。
高度な医療サービスの外資系病院
ハノイやホーチミン市には、先進医療と設備、近代的な医療施設を備えた外資系の医療機関があります。主に、欧米系、シンガポール系、日系が多く進出しており、基本的には富裕層と外国人を対象としています。
それらの病院でも対応が難しい場合は、シンガポールやタイ、日本などに緊急搬送される場合もあります。診療費は高額ですが、特に日系の医療機関は日本人の医師や看護師によるサービスが受けられる安心感もポイントとなります。
保険には必ず加入を
会社が医療費を負担してくれる駐在員を除き、ベトナムで医療機関を受診すると高額な請求が発生します。さらに入院や手術が必要になった場合、すべて自己負担となると大きな出費になることは避けられません。
そのような場合への備えのため、海外旅行保険にあらかじめ加入しておくと安心です。短期の出張の場合は、クレジットカードに海外旅行保険が付帯されているケースがあるので内容を確認しておきましょう。
それらの保険には、医療通訳のサービスや会計時にサインするだけで済むキャッシュレス診療が含まれている場合もあり、安心なだけでなくとても便利です。
ベトナムで注意したい病気
ベトナムで注意すべき病気には、以下のものがあります。
- 食中毒(細菌性腸炎)
下痢、腹痛、嘔吐(おうと)、発熱などの 症状が現れます。 - ウィルス性肝炎
全身の倦怠(けんたい)感、食欲低下、発熱などの症状が出た後、黄疸(おうだん)が現れます。 - マラリア
悪寒、頭痛、高熱などの症状が出る感染症です。 - デング熱
高熱や激しい筋肉痛の後に発疹が現れます。 - 破傷風
四肢の硬直、発熱、けいれんなどが起こります。 - アメーバ赤痢
食あたりと似た症状で、下痢が続きます。 - 狂犬病
狂犬病は発症するとほぼ100% 死亡する感染症です。 犬にかまれた場合は、すぐに医療機関で診察を受けましょう。 - 熱中症
炎天下で長時間過ごした後に頭痛や筋肉痛が起きたら、熱中症の可能性を考え、水分を補給するなどしましょう。

Yさん(男性)
Yさんは手術を受けるために2015年にローカルの口腔外科専門病院に入院。エアコンとテレビ、トイレが備わったVIPルームと呼ばれる病室をあてがわれたものの、そこは4人の相部屋。ストレッチャーのような簡素なパイプベッドで、薄汚れた壁にはアリやヤモリが這い、壁の通気口からは蚊も出入りしていた。
入院患者には家族が24時間体制で付き添うため、相部屋の家族らが一日中大声で会話をしているし、昼夜問わずひっきりなしに鳴る彼らの携帯着信音でゆっくり寝ることはできなかったとのこと。たまりかねたYさんは毎日こっそり帰宅し、朝の検診の時間だけ病室に戻るようにして乗り切った。
院内は日本語はおろか英語すら通じなかったため、加入保険に付帯していた医療通訳サービスがまさに命綱だったという。
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