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ベトナムの飲食業界に、静かに、しかし確実に変化の風が吹き始めている。 その起点となったのは、一人の“優しすぎるエンジニア”のひと言だった。
「これ、できますね」
日系飲食店を中心に注目を集めているPOSプラットフォーム「Mmenu(エムメニュー)」。この革新的なサービスは、元Google出身のエンジニア社長と、日本人営業担当による、現場に根ざした地道な対話と改良の積み重ねから生まれた。
優しすぎる革命児、Quoc氏
Mmenuを率いるのは、Google出身のエンジニア、Quoc(クオック)氏。 ベトナム出身でありながら、日本で15年を過ごし、現在はネイティブ並みの日本語を操る。 その人柄は、開発チームとの関わり方にも表れており、常に穏やかな口調で指示を出すスタイルだ。
「作りましょう」
この一言が、多くの機能誕生の出発点となってきた。
“ひとり”の戦場、ベトナム営業
Mmenuの拡大を現場で支えるのが、営業担当の安藤氏。日本人営業が1人という体制の中、ホーチミン市を拠点に、全国の飲食店をリモートでサポートする挑戦が続いている。
現場で挙がる「これはさすがに無理ですよね?」という声を丹念に拾い上げ、すぐに開発チームへ伝える体制が、Mmenuの柔軟な進化を支えている。
DXの正体は、“気配り”
Mmenuは単なるPOSではなく、飲食業務の“見える化”と“効率化”をトータルで支えるツールへと進化している。QRモバイルオーダーをはじめ、キオスクやタブレットを使った運用 、8言語対応で新人でも1時間でマスターできるUI、売上・人件費・原価のリアルタイム管理 ・電子インボイスをワンクリック送信できる。さらに多店舗管理にも対応しており、日本国内からベトナムの複数店舗を一括で確認・操作可能。 日越をまたぐ運営にも対応し、どこにいてもリアルタイムで現場を“見える化”できる。
「お客様が“これは便利だね”と言ってくれたときが一番嬉しいんです」
開発は、時に深夜に及ぶ。 「うちはブラックなので(笑)」と本人は言うが、 本当にブラックな会社に“笑いながら言える余裕”はない。
業態を問わない、現場ファーストの哲学
Mmenuは、居酒屋・寿司・ファストフード・ラーメンなど多様な業態で導入が進んでいる。ベトナムのPOS市場はパッケージ販売が主流だが、Mmenuでは相談ベースでの個別設計を重視。「この店舗は回転重視でQR注文、あちらは接客重視でハイブリッド導入」といった、現場の事情に即した提案が可能だ。
革命は、静かに起きる
現場の声から生まれ、声を聞き続けて進化してきたMmenu。 今では飲食以外の業界からも引き合いがあり、勤怠・顧客管理など“かゆいところに手が届く”新機能の開発も進行中。
「うちは、作れないものはないんです」
Quoc氏のこの言葉が、Mmenuの信念と可能性を物語っている。





M Menu提供サービス(一部抜粋)
基本情報
Mmenu Co.,Ltd
問い合わせ先 | contact@mmenu.vn(日本語可) |
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Website | https://mmenu.vn/vn/en |
★週刊VETTER 746号(2025年6月25日号)に、Quoc氏と安藤氏が掲載されました★
