ウイングアーク1st×システムエグゼ×シムトップス対談ベトナムにおける日系製造業の生産性向上を支援 デジタルトランスフォーメーションの課題とは

今年ベトナムで15周年を迎えるシステムエグゼが、『MotionBoard』『i-Reporter』を標準搭載した在ベトナム日系企業向け生産管理システム『EXEX生産管理』のバージョンアップ版『EXEX生産管理for Global』をリリース。市場の変化やニーズを受けて協働で同システムをバージョンアップし続ける3社の海外責任者はベトナムの製造業に何を見出だし、どのような課題感を持っているのだろうか。

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3社対談

  • 株式会社システムエグゼ 取締役 副社長執行役員 荻野 弘昭 氏(以下 荻野 氏)
  • ウイングアーク1st株式会社 タイ事業所所長&シンガポール事業所副所長 湯原 圭亮 氏(以下 湯原 氏)
  • 株式会社シムトップス グローバルセールス&マーケティンググループ 統括責任者生出(おいで) さやか 氏(以下 生出 氏)

製造業における効果的なデータ活用の仕組みを3社協働で実現


荻野 氏:『EXEX生産管理 for Global』は、日本で企画・設計しベトナムで開発した自社製品です。海外展開をしている製造業様向けのパッケージソフトで、受注登録業務から生産計画、MRP計算や外注管理、在庫管理など、工場内の各業務を一貫して管理できます。生産計画に合わせた部品調達、入出庫処理を行うことで品質向上、納期厳守にも貢献できるため、多くの日系製造業様に導入いただいています。ただ今までの『EXEX生産管理』は各業務の管理、いわゆる工場のシステム化にフォーカスした製品で、管理面では強みが多い一方、関係者全員へ情報をリアルタイムに提供するという面では弱さがありました。今回『MotionBoard』、『i-Reporter』との連携が実現したことで『EXEX生産管理 for Global』はDX実現に向けた完全なソリューションに変貌し、これまで以上にお客様のお役に立てる製品になったと自信を持っています。

湯原 氏:私たちが開発・提供している『MotionBoard』は、従来のBIツールの枠を超え、「データ入力→リアルタイム反映→分析・意思決定」という一連のプロセスをシームレスに実現できるソフトウェアとして、多くの製造業のお客様にご活用いただいてきました。近年のベトナムでの「現場データをリアルタイムで見える化し、生産性向上につなげたい」というニーズの高まりを受け、2024年に『EXEX生産管理』に弊社の『MotionBoard』をバンドル提供いたしましたが、長年にわたり弊社製品のインテグレーションをしていただいているシステムエグゼさんの豊富な知見を活用することで、より価値のあるソリューションをお客様にご提供できると私たちも確信しています。

生出 氏:現場の記録、データ収集のデジタル化ツール『i-Reporter』は、ノーコードでお客様が現在利用されているExcelフォームから入力UIを設計できる「現場電子帳票」です。弊社が誇る主軸製品で日本国内では4000社以上のお客様がいらっしゃり、海外では16か国、350社、1万ユーザーを超えるお客様に導入いただいています。『i-Reporter』には必須入力エリアの設定、基準値の設定による異常の判定、マスターデータからの検索入力、写真の挿入等、紙帳票では実現できない様々な入力支援機能が備わっています。入力履歴も保存されるため、改ざん防止やトレーサビリティ強化にもつながります。今まで使っていた紙のレイアウトをそのまま踏襲することができ、現場の方にも違和感なく導入いただける点も強みです。また現場で入力した帳票データはサーバーで一元管理しますので、リアルタイムで確認・承認が可能で、保存されたデータは『EXEX生産管理 for Global』『MotionBoard』などの上位システムへ連携しデータ活用につながります。システムエグゼさんには以前よりベトナムの多くのお客様へ『i-Reporter』のご提案から販売、導入における技術支援まで一気通貫でご対応いただいておりましたが、この度『EXEX生産管理 for Global』に『i-Reporter』をバンドルで提供いただくパッケージの開発によって、『i-Reporter』が現場のデータ収集からデータ管理、可視化、分析、改善というトータルサポートの始点となることを大変光栄に思います。

システム導入成功の鍵は、導入ノウハウと現地サポート体制

荻野 氏:『i-Reporter』で取得したデータを『EXEX生産管理 for Global』で管理・蓄積し、『MotionBoard』で見える化・分析するという、「取って、入れて、出す」が一元化した完璧な生産管理ソリューションにバージョンアップしたことに対する反響は大きく、現在営業の体制強化を計画しています。

生出 氏:ただ単にシステムを導入するのではなく、お客様の現場の動きなどを見てコンサルテーションの役割も担いながら導入してくださるので、システムエグゼさんに導入していただいた企業様では、社内で他部署への展開、拡大がみられ、お客様のDX成功事例へと繋がってきております。

荻野 氏:システムを「導入し、確実に使い、成果を出す」までをフォローし、お客様のシステム導入を必ず成功に導くことが弊社の強みですので、そうおっしゃっていただけると非常に嬉しいです。ベトナムでは「システムを入れたけどうまく使えない」「サポートも手薄」というケースも多くあります。弊社は15年間の経験値を活かし、システム導入の重要なポイント、問題が発生しそうな箇所の早期発見など、お客様目線で考えながら現地でしっかりとサポートしています。お客様の日本人管理者の方にも現場のベトナム人の方にも同じスタッフが対応し認識のズレが生じないようにするなど、細かい配慮もしています。

ベトナムの生産現場のニーズ変化とIT人材不足という新たな課題

荻野 氏:製造業では人材不足、人件費高騰で人海戦術が限界に来ているという点に加え、大量に作れば売れていた時代から、品質を担保して生産高をコントロールする時代へと移り変わりました。当然、求められる生産方法も変化し、システム化の流れは必至です。しかし日系企業様からは「人には予算がつくが、システムにはつかない」「短いスパンで責任者や方針が変わってしまう」などの理由でIT導入がスムーズに進められないとの声が聞かれます。

湯原 氏:人を増やせば当然生産量は上がりますが、IT導入は効率化のためのステップであり、IT導入によって即時に生産量が上がるわけではありません。短期的な利益に惑わされずに、長期的な視点を持って課題の本質を見抜くことが大切ではないでしょうか。

生出 氏:弊社が初めてベトナムで実績を作った2017年頃はまだ現地スタッフさんを教育し、製造工場様の最大のミッションである『良品を納期遵守で提供する』ことに徹していて、デジタル化や自動化のフェーズではなかった様に感じました。2020年コロナ到来による市場収縮からコロナ明けの再開で、昨今では平均人件費は7年前から約50%高騰し一気に「デジタル化」「自動化」「効率化」というワードをお客様から伺い、そこに投資する企業様が増えてきていることを感じています。

湯原 氏:ITシステムへの投資ニーズは高まりつつある一方で、現地ではIT人材の不足や教育が追いつかないケースが多く、先ほど荻野さんもおっしゃっていたように、導入したシステムを使いこなせないまま属人的な運用に終始してしまう事例も少なくありません。こうした環境では、「現場データの収集・統合・可視化」が進んでおらず、データはあっても活用がうまくいかない状況が散見されます。結果として、思うように生産性や品質が向上せず、さらなるコスト削減も実現できないという課題が起こりがちですね。また「IT人材は育てたいけれど、人件費も上がっていて育てられない」という声もあります。ノーコードで現場の人が解決できるようなITシステムを導入していただいて、最初は一緒に進め、徐々にお客様のレベルも上がっていくという形が理想的ではないでしょうか。

荻野 氏:『MotionBoard』がまさにそれですね。ノーコード・ローコードで扱いやすいUIがベースになっていて、専門的な知識や高度なITスキルがなくても導入・運用を進めることができます。導入時に最初の形を3〜5割程度こちらで作成し、残りをお客様と一緒に作りながらノウハウをお教えして、簡単な改修であればお客様ご自身でも対応できるようにサポートしています。

湯原 氏:ありがとうございます。「人件費が上がる=期待される能力も上がる」ので、これまでは日本側に求められるデータを何も考えずに抽出し提出していただけの方々も、これからは何の目的でデータを集めるのかを考えるようになるかと思います。それがベトナムの生産現場が変わるタイミングであり、データ活用が入るフェーズの訪れだと思っています。どのような形で競争優位性を出していくか。そのひとつの手段としてITがあるし、他の手段もある。他にも様々な技術が生まれてきているので、そういったものも含めて、誰に相談するかが重要だと思います。「相談できる相手がいない」というケースも結構あるので、現地にいらっしゃるシステムエグゼさんにご相談いただければ、私たちの製品も含め、色々なご提案をしていただけるかと思います。

データ活用による製造業の生産性向上を支援最も信頼されるNo.1パートナーを目指して


荻野 氏:既に導入いただいたお客様、これから導入いただくお客様にもっと有意義なデータ活用を体験いただけるように『EXEX生産管理 for Global』は、標準テンプレートのダッシュボード、電子帳票を日々拡充していきます。今後も工場DX・経営判断に強いNo.1の生産管理システムとなるべく、ベトナムをはじめ東南アジア諸国に展開されている日系製造業様にとともに成長していきたいと考えています。
システムエグゼベトナムは現在社員150人弱ですが、直近3年で倍にして国内事業に注力しベトナムの市場を開拓していく方針です。引き続き「お客様にとってのNo.1パートナー」としてお客様に寄り添い続けてまいります。

湯原 氏:『MotionBoard』は、生成AIやGUIを活用した業務フロー設計をさらに進化させ、データ入力とデータ分析の両面から「業務アプリのように使えるBI」として、現場レベルでのデータ活用を促進し、企業の競争力向上やDX推進を強力に支援することを目指します。シムトップスさんと資本業務提携を行い、複雑な紙帳票の入力は『i-Reporter』と連携し、簡易な入力は『MotionBoard』を活用するなど、お客様の多様なニーズに応じた柔軟なソリューションを提供していきます。弊社は、今後も企業のデータ活用文化の確立を支える先導役として、技術開発とグローバル展開を積極的に進めてまいります。製品開発ベンダーとして「サプライズ・ファースト」を目標に、日本、ベトナム、世界で、お客様に驚いていただけるような製品サービスを今後も提供させていただきます。

生出 氏:『i-Reporter』は発売14年目を迎え、ペーパーレス化ツールから現場データの収集・デジタル化ツールへとシフトしています。2025年はChatGPTなどの生成AIと連携することや、オフラインで動作するEdgeAIの開発でラベルOCR機能をネイティブアプリに搭載するなど、作業の報告文や帳票定義の作成補助機能を加えることにより、人が記録・判断しないで済む部分は自動化を促進させ、お客様の現場改善に貢献できるように進化していきます。また、Androidの普及率が高い東南アジア市場向けにAndroid版の開発にも着手いたします。
東南アジアのお客様、パートナー様をより近いところで支援できる様に、昨年10月に海外拠点3つ目となるタイに駐在事務所を設立いたしました。弊社は「ユニークで変態的に強力な製品・サービス」をお客様に提供できるベンダーとして今後もグローバル市場において展開していきたいと思っております。


海外生産拠点向け生産管理パッケージ「EXEX(エグゼクス)生産管理」
ベトナムを中心とした海外工場での導入実績が豊富な、クラウド対応の生産管理パッケージです。受発注管理や在庫管理、販売管理システムとしても利用することが可能で、ベトナム語、英語、など6か国語を標準搭載しています。シンプルな操作性と海外工場向けのさまざまな機能で、現場主体のスムーズな運用と海外工場の見える化を実現します。また、新モデルの「EXEX生産管理 for Global」では、ウイングアーク1stの帳票基盤ソリューション「SVF」およびBIダッシュボード「MotionBoard」、シムトップスの現場電子帳票「i-Reporter」を標準搭載しています。

お問い合わせ
SYSTEMEXE VIETNAM CO LTD
https://system-exe.com.vn/ja/

ベトナムにおける日系製造業の生産性向上を支援|製造現場のデジタルトランスフォーメーションを実現するには

3社合同セミナーを開催!

本セミナーでは、製造業における生産性向上とデジタルトランスフォーメーション(DX)について講演します。
新しい『EXEX生産管理 for Global』と『MotionBoard』、そして『i-Reporter』を活用したデータ活用、効率化の実践例や各ソリューションの連携についてご紹介。製造業のデジタル化に役立つノウハウと成功事例をお届けします。
今後の製造業のDX推進に関心がある方々はぜひご参加ください!

登壇企業・登壇者名
株式会社シムトップス 
セールスチームリーダー 
横山 晃史 氏
ウイングアーク1st株式会社
Business Development Manager
井上量喜 氏
システムエグゼベトナム 
副社長兼Chief DX officer 
Cao Minh Việt 氏
タイトル 【製造業様の課題解決に向けたDXベストソリューション】
~現場のデータ収集・管理・見える化・分析をシームレスに効率化~
開催形式 オンライン(Zoom)
日時 2025年3月12日 ベトナム時間 13時30分~15時00分, 日本時間 15時30分~17時00分 (90分)
申込方法 申し込みフォーム
Website https://system-exe.com.vn/ja/news/dx-seminar/
定員 100名
ウェビナーのターゲット 製造業工場長様、生産/製造管理者様、IT部門の方、海外工場DX推進の関係者の方 他
参加資格 ※講演企業の競合となる商品・サービスを提供している企業様、同業の企業様、及びそのグループ企業・関連企業の方のご参加はご遠慮頂いております。

各社の基本情報

会社名 SYSTEMEXE VIETNAM CO., LTD
所在地 2F, Etown 1, 364 Cong Hoa, 13 Ward Tan Binh Dist, Ho Chi Minh City
電話番号 +84-28-3810-3385
会社名 株式会社システムエグゼ
所在地 東京都中央区日本橋室町3-4-4 OVOL日本橋ビル7階
電話番号 03-5299-5351
事業内容 ・システムコンサルティング
・ソフトウェア開発
・パッケージソフトウェア開発・販売
・システム導入サービス・保守運用サービス
会社名 株式会社シムトップス
所在地 東京都品川区上大崎2-25-2 新目黒東急ビル10階
電話番号 03-5721-4610
事業内容 ・設計製造ソリューション事業
・設計製造エンジニアリングサービス
会社名 ウイングアーク1st株式会社
所在地 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー36F
電話番号 03-5962-7300
事業内容 ・ソフトウェア開発・販売
・データエンパワーメント事業
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