【みんなのヘルスケア】Raffles Medical｜大気汚染による症状とその対策について

　ベトナム北部や南部では、10月頃から3月頃までの間、大気汚染が最も深刻になると言われています。昨年の12月頃、ハノイは大気汚染で世界3位となり、ホーチミン市は大気汚染による霧に包まれていると報道されました。この時期は、風が止み、雨量も減るため、PM2.5、窒素酸化物、二酸化硫黄等の汚染物質が大気中に滞留すると考えられています。
これらは、車やバイク、工場からの排ガス等に含まれています。市街地の朝夕の通勤時間帯の汚染は特にひどく、世界保健機関の汚染物質基準濃度値の数倍に及ぶこともあります。

　これにより、咳、痰、鼻水などの呼吸器症状や、目の痒み、痛み、充血などの眼症状が起こります。PM2.5等の小さな粒子は、肺の奥まで届き、気管支炎や喘息の原因となり得ます。特に、子供、高齢者、妊婦、心肺疾患を有する人に強く影響します。

　対策として汚染物質との接触を減らすことが重要です。大気汚染のひどい日は、外出を控え、窓を閉めた屋内で過ごし、外出時はN95マスクなどの細かな粒子も遮断するマスクを隙間なく着用するのが最善です。また、ゴーグルや花粉対策眼鏡を着用すれば、汚染物質の目への侵入を防げます。コンタクトレンズの使用は控えましょう。外出から戻ったら、手洗い、うがい、鼻洗浄、人工涙液等の点眼で、のど、鼻、目に付着した汚染物質を洗い流しましょう。
症状が出た場合には、我慢せず、早めに医療機関を受診してください。

文責：喜夛村次郎医師

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