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伝統×流行が調和!アオザイの魅力を探る!

時代ごとに変化を遂げながらアオザイは進化をし続ける。単なる民族衣装という枠を超えて、すでにベトナムの文化的シンボルにもなっている「アオザイ」。時代ごとの流行を取り入れ、現代も脈々と生き続けるアオザイの魅力を探る。

ベトナム民族衣装「アオザイ」とは?

 民族衣装として名高いアオザイですが、身体にフィットしたスタイリッシュなデザインは世界の民族衣装の中でも一際異彩を放っています。

身体のラインを隠すデザイン
17世紀初頭から1930年代までは、道徳観念から女性の身体のラインを隠すシンプルなデザインだったそう

民族衣装というからには、それに該当する民族が存在するのですが、アオザイの発祥はベトナムのキン族です。

ベトナムは少数民族を合わせると54民族が存在し、キン族はその中の約80%を占める。人口の大半を占める民族の伝統衣装であることも、現在の広い認知度に繋がることになったのかもしれません。

革命のビビッドなデザイン
1968年くらいのアオザイでビビッドなデザインと柄は、当時流行ったヒッピー文化が取り入れられているため。スボンもこの頃は伝統的なシルクを使わず、硬めのしっかりした生地が使われた

アオザイという呼び名のアオは「上着」ザイは「長い」という意味です。ボディーにフィットした長いワンピースであることから、その名称にも合点がいきますが、アオザイは必ずしも女性に限られた衣装ではありません。結婚式の新郎やベトナム伝統音楽奏者に限られますが、男性用アオザイも存在します。

日本をイメージしたデザイン
日本のイメージは歌舞伎の絵をモチーフにしたもの

またアオザイとは北部の発音で、南部ではアオヤイと発音されています。

アオザイの魅力を探る

 通常の民族衣装は、伝統を重視するあまり一定のデザインをキープしたまま変化が少ないことが挙げられます。その点においてアオザイは、時代ごとに比較的自由にマイナーチェンジしてきた民族衣装であるといえます。

ビーズを使用したデザイン
2~3kgのビーズを使用したアオザイで重量がある。博物館の創始者のホアン氏と他2名で4ヶ月かけて製作された

流行を敏感に取り入れ、着る人を楽しませるという意味においては現代のファッション感覚があるのかもしれません。また冠婚葬祭をはじめとする儀式の際は、普段着のアオザイとは異なり、豪華な刺繍が施された華やかなデザインのものが着用されることが多い様です。そんな自由度の高さや固定観念にとらわれないデザインもアオザイの魅力といえるのではないでしょうか。

手書きの模様のデザイン
1989年、この頃からアオザイの生地に鮮かな手書きの模様が施されるようになった

博物館でアオザイの歴史を学ぶ

庭園は広いが、博物館自体は小さい。館内は時代ごとの変遷が伺える貴重な古いアオザイが展示されている

 ホーチミン9区という郊外にありながら、アオザイの文化史や、時代ごとのアオザイの変遷を学ぶのにうってつけの場所です。設立者はベトナムの有名ファッションデザイナーのシー・ホアン氏。ファッションに興味ある方にぜひオススメ。

かつてシースルーのアオザイが流行った時代もある。アオザイを着るとき用の下着も同時に作られたそう

「流行は繰り返す」と言われるように、かつて流行っていたものが数十年後に再びムーブメントが起こることはよくあります。数多の展示物から次世代のファッションに取り入れたくなるようなヒントが隠されているかもしれません。

宗教別のアオザイ。茶は仏教、青はキリスト教で首元に十字架がつけられている。白は原住民の宗教。赤はベトナムの母女神を崇拝する人たちのもの

「ファッション=流行」という言葉が浮かびあがる展示物は、どんな思いで時代の流行を追求したのか、歴史的背景とともに、かつてのファッションリーダーに思いを馳せながら鑑賞してみるのも悪くないでしょう。

1950年代はハイネックのアオザイが登場した。この頃から初めて身体のラインを強調するデザインに変わっていった

店舗情報

アオザイ博物館

住所 206/19/30 Long Thuan St., Long Phuoc, Dist. 9
営業時間 8:30―17:30(月曜定休)
入場料 入場料 10万VND

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