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ベトナムにおける日系製造業の生産性向上を支援|製造現場のデジタルトランスフォーメーションを実現するには

社長対談
ウイングアーク1st代表取締役 社長執行役員CEO 田中 潤 氏 (以下、田中氏)
システムエグゼ 代表取締役社長 大場 康次 氏 (以下、大場氏)

ベトナム市場への進出のきっかけはオフショア開発と現地日系企業の支援


田中氏:システムエグゼはそもそもどのような背景でベトナムに進出されたのですか?

大場氏:1998年に会社を設立し、SIerとして業務システム開発を行ってきたのですが、オフショア開発の拠点を作って受託開発のリソース資源を拡充しようと、2010年にベトナムに進出しました。最初はベトナム人留学生1名を日本に招いて開発をしてもらうところから始めました。当初はオフショア開発だけが目的だったのですが、会社が拡充するにつれて、現地の日系企業に対するサービス提供も開始し、日本で開発したパッケージ製品をベトナム市場向けにローカライズするようになりました。ウイングアーク1stは東南アジアに手広く進出されていますよね。

田中氏:2008年の中国が初の海外進出で、2014年にはシンガポール法人を作り、東南アジア戦略をスタートさせました。当時既に日系製造業の企業は海外各地に工場を多数お持ちで、その東南アジア各地の日系企業のニーズに、シンガポールの拠点から対応できれば、と考えてシンガポールに拠点を構えたのですが、いざやってみるとやはり各国に拠点がないとコントロールが難しいと感じました。その後、私共が出資しているパートナー会社のタイの拠点に弊社メンバーを送る体制で、タイ現地の日系製造業を対象にビジネスを立ち上げました。当時のタイは、日本が過去に対応した製造現場の課題に直面している状況で、日本で提供している帳票製品やBI(Business Intelligence)製品がそのままタイでご活用いただける、と感じました。その経験もあって、今回ベトナムに進出されていらっしゃるシステムエグゼにお話をさせていただきました。

生産管理パッケージと帳票・BIツールの組み合わせによる業務効率化を加速支援

田中氏:タイでもベトナムでも、日本のレベルに合わせつつ現場が使いやすいように製造現場の仕組みをアップデートするのは簡単ではありません。BIを活用して製造工程を可視化→改良すべき点を明確化→成果と状況を日本側からリアルタイムで確認→改良というPDCAの仕組みを実現するためには、製造工程の中に入り込ませていただく必要があります。それには製造現場におけるあらゆるプロセスを司るような製品群とご一緒させていただくのが有効的であり、システムエグゼの海外生産拠点向け生産管理パッケージ「EXEX(エグゼクス)生産管理」はとても良い領域の製品だと評価しています。

大場氏:ありがとうございます。拠点を中国からベトナムに移転する日系企業が増えているのに伴い、受注も増えています。「EXEX生産管理」は日本の中小企業向けに製品化したものを、海外市場向けにローカライズしたパッケージ製品です。生産管理システムをなかなか作れない中小企業に、できるだけ早く安く導入できるシステムをご提供したいという想いでパッケージ開発しました。6か国語対応になっており、今回販売開始した「EXEX生産管理 for Global」は、ウイングアーク1stのBIダッシュボード「MotionBoard」と帳票基盤ソリューション「SVF」を標準搭載したことで、製品の基本機能が大幅にアップデートされています。業務プロセスを可視化するダッシュボード画面開発は、従来カスタマイズが多すぎて導入に時間がかかることが課題でしたが、MotionBoardを組み込んだことにより、導入時間の短縮に加え、ユーザー自身が自由に必要とするダッシュボード画面を簡単に作ることができるようになりました。また、日系企業は特に帳票レイアウトの部分でカスタマイズを希望されることが多く、今回SVFを組み込むことによってユーザー自身が編集可能になったことは、ユーザーの業務効率化を支援する大きな付加価値になりました。

ITとデータ活用によるベトナムの製造現場のDXを推進していくには?


大場氏:先進国では様々な課題を解決するのはテクノロジーである、人ではなくITで解決しよう、という考えが広まっていますが、ベトナムにおいても政府のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進もあり、DXへの興味は高まっています。デジタル化に対して抵抗がない若い層が率先してITを使っていってくれるのではという期待もあります。とはいえITに仕事を取られてしまうのではないかという恐れも払拭できていません。製造現場におけるデータ活用に関しても、ベトナムはまだまだ情報やデータを集めるだけにとどまっている段階です。今後は生産状況の見える化だけでなく、生産設備の予防保全や不良率の低減など、集めたデータを活用する段階に進めていく必要があります。

田中氏:そうですね。日本では、まずは製造現場を見える化し、次に何か起きた際の対応をデータに基づいてオートメーション化して人の負荷を軽減する、ということが行われています。ITとデータは人の仕事を奪うものではなく、人の価値を上げる、人のエンパワーメントツールであることを実感していただきたいです。そのためには、例えば、データ活用の結果、工場の生産性が向上したらそれを給料にも反映させるという経営側の努力も必要です。

かつて中国でBI製品を紹介した際に、「10人雇うから必要ない。10人でだめなら100人雇うから必要ない」とおっしゃる事業主がいましたが、現在では、中国は人件費の高騰により、いかに効率的にITとデータを使えるかという考え方に移行しています。ベトナムも人海戦術を脱する時期が近づいてきていると思います。「データ活用の結果、製造現場の生産性と品質が上がり、不良率や返品率も減少した」という成果につなげることが必要であるとともに、ITとデータ活用の導入により実益が出た企業から情報発信していただくことも重要だと考えています。

ベトナムの日系企業およびローカル企業のビジネスパートナーとして支援

大場氏:その点においてはDXの重要性を感じていらっしゃる日系企業に先駆者となっていただきたいところですね。今回、EXEX生産管理に、MotionBoardやSVFを組み込むことでさらに付加価値が高まったので、これまで以上にベトナムの日系企業、加えてベトナムへの投資が多い、韓国、中国の企業が展開したローカル工場、誘致工場、委託工場にも「EXEX生産管理 for Global」を訴求し、展開できるのではないかと思っています。今後はベトナムを足がかりにして、東南アジアの市場にも拡大していく予定です。そしてSIerとして、システムを作って終わりではなく、ベトナムのユーザーの業務への理解を一層深め、ビジネスパートナーになっていくことが最優先の目標でもあります。


田中氏:日系企業向けの取り組みは日本でも実績のあるデータ活用の領域です。一方で、各国のローカル企業を対象に新しい挑戦がしたいという想いで始めたのが、シンガポールにおけるアクセラレータープログラムです。年に1回、世界中のスタートアップ企業に集まっていただき、選定した企業に弊社のテクノロジーを支援しています。上手くいけば将来的に「Intel入ってる」というような感じで同じように「ウイングアーク1stが入っている」というローカルサービスが立ち上がるというOEM戦略です。シンガポール政府のバックアップもいただき、東南アジアだけでなく北米やヨーロッパからリモート参加する企業もある、ユニークなグローバルプログラムになっています。これまでに600社以上の申し込みがあり、海外のスタートアップ企業とのネットワークを構築しています。前回選定した企業の中には、ベトナム国内でプロパティマネジメントサービスを提供しているベトナムのスタートアップ企業もありました。今後ベトナムでは様々なスタートアップが起業してくると思うので、弊社との協業機会を、アクセラレータープログラムを通して提供していく予定です。

最後になりますが、ベトナムの製造業界にも、経営者の方がITとデータを上手に活用し、従業員の満足度を高めつつ自社の工場の生産性を上げることに挑戦せざるを得ない時が迫っていると思います。他社がデータ活用に取り組んだ後から自社も取り組んでみようではなく、最初に製造現場のDXに成功してみなさんの見本になろう、という方が1人でも多くいらっしゃればと願っていますし、弊社として最大限ご支援できればと思っております。

大場氏:私もベトナムの製造業には、DXを推進し、ベトナムがより成長するよう国を牽引する存在になっていただきたいと願っておりますし、弊社のベトナム法人を通して、ベトナムの成長に貢献できればと考えております。


海外生産拠点向け生産管理パッケージ「EXEX(エグゼクス)生産管理」
ベトナムを中心とした海外工場での導入実績が豊富な、クラウド対応の生産管理パッケージです。受発注管理や在庫管理、販売管理システムとしても利用することが可能で、ベトナム語、英語、など6か国語を標準搭載しています。シンプルな操作性と海外工場向けのさまざまな機能で、現場主体のスムーズな運用と海外工場の見える化を実現します。また、新モデルの「EXEX生産管理 for Global」では、ウイングアーク1stの帳票基盤ソリューション「SVF」およびBIダッシュボード「MotionBoard」を標準搭載しています。

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SYSTEMEXE VIETNAM CO LTD
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