アンジメックスキトク
取締役社長 佐貫洋
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30年前のベトナム進出-
30年前の1991年、「子どもはみんな笑っていて、大人の目はギラギラ輝いていた。だからベトナムに進出した。」と当時の責任者は語ります。右も左もわからないなか、コメもやっと自給できるようになり輸出がスタートしたばかりのベトナムに会社を設立しました。今でもタイは世界最大のコメ輸出国ですが、タイで生産されるコメは粒が長く、炊くとパラパラとしたインディカ米が中心で、ジャポニカ米はほとんど栽培されていませんでした。
1991年は1989年の天安門事件やベルリンの壁の崩壊の直後で、世界の社会主義体制が大きく揺れ動き、ベトナムでも経済自由化のため1986年に発表されたドイモイ政策が進められた時代でした。
苦労や失敗について
日本では、1993年の冷夏のよる大凶作と、1994年のGATT(現在のWTO)ウルグアイラウンド交渉の末コメの輸入がスタートしましたが、これは我々のベトナム進出のあとのことです。輸入自由化後は一転しコメ余りが続き、ベトナム産のコメなどは必要とされず、設立後10年間は鳴かず飛ばずで、様々なことにチャレンジをしました。
コメの試験栽培はもちろん、アンザン省で赤飯用のささげ豆の栽培や、ダラットでの小豆(あずき)試験栽培、国営の野菜公団からマンゴーのピューレを大量購入し輸出をしたりしました。
とろろ蕎麦用の芋を見つけ擦りおろしたら中身がきれいな紫色になってしまったり、ドジョウの仲間の田ウナギをうなぎの代用にしようとかば焼きをしても、美味しく調理ができませんでした。失敗ばかりでしたが、とにかく勉強になりました。
当時のホーチミン市の日系レストラン事情-
当時、事務所はサイゴン川に近いドンコイ通りにありました。ホーチミン市の日本人も200人程度でみんなが顔見知り、日系レストランも4~5軒ほどしかありませんでした。そのうち1軒の「どらえもん かか」は最も長いお取引先として、今でもドンズー通りで営業されています。ベトナム国内でのコメの販売はここからスタートしました。
30年近く経ち、現在ホーチミン市にある日系レストランは500店以上でしょうか。今では数多くのレストランで当社のジャポニカ米をご愛好いただいております。温かくご支援いただきました日系レストランの皆様には感謝の念に堪えません。
日本食ブームの広がり-
21世紀に入ると世界中で日本食ブームが広がり、近隣諸国でもシンガポールやマレーシアの大都市などでのジャポニカ米の需要が増えてきました。この需要に応えるため、現在は生産者約300人と契約し、アンザン省とキエンザン省に隣接している地区でジャポニカ米を栽培しています。
生産者はジャポニカ米の種子を栽培し、収穫したジャポニカ米を船に乗せ、運河を使って田んぼから当社の乾燥工場に運び込みます。近年は出荷量も増え、品質が要求されるなか、当社では乾燥工場、精米工場、各種機械も日本製のものを導入しています。定温倉庫も増設し、日本と同じレベルの摂氏15度で原料を保管しています。
家庭向け商品の開発-
2010年以降は家族で赴任する日本人駐在員の方も増え、家庭用に「富士桜」や「寿司米」の販売を開始しました。収穫したジャポニカ米は、我々日本人スタッフが試食し、厳選したものを商品としてお届けしています。
「富士桜」は評判がよく、ブランド米として中東やブラジルへの輸出もしています。昨年には「おゆきさんのこしひかり」を発売しました。純度の高いこしひかりを原料に使用しており大変美味しくオススメなのですが、品質の良いこしひかりは栽培も難しく生産量に限りがあるため、現在はベトナム国内のみで販売しています。
美味しい食材の追求-
近年は、本物の日本の味をベトナムに紹介しようと日本食の基本である「コメ、味噌、醤油」の普及にも力を入れています。当社が日本から輸入して取り扱う「新潟産こしひかり」「岩手産・純情米ひとめぼれ」はさすが日本産で、美味しさの格の違いに頷けます。
日本で和食のプロから非常に高い評価を得ている「ヤマサの醤油」や「ハナマルキの味噌」も、日本食レストランをはじめスーパー、コンビニ、ネットショップ等でご紹介しています。これからの近代的なベトナム生活に合わせた質の高い商品です。
これからも皆様がベトナムで快適にお過ごしいただけるよう「安全」「安心」で「美味しい」食材をご提供できるよう努めてまいります。
アンジメックス・キトク(AKJ)
住所 | Quoc Lo 91, Khom Thanh An, My Thoi Ward, Long Xuyen, An Giang Prov. |
電話番号 | ホーチミン支店:086-5569-449(木戸) ハノイ支店:086-7940-167(シー・日越語可) |
WEB | www.angimex-kitoku.com.vn/ |