【法律相談所コラム】BETOHO|親会社から出向した外国人の従業員の給与をベトナム子会社で支払い、税務上の損金として処理するための条件を教えてください。

HCMC在住50代男性
親会社から出向した外国人の従業員の給与をベトナム子会社で支払い、税務上の損金として処理するための条件を教えてください。
ブイ・ホン・ズオン氏
ベトナムの子会社が、親会社から出向する外国人従業員に給与を支払い、かつ子会社の損金として計上するには法令上の制約があることを、まず理解する必要があります。政令219号に基づく「企業内人事異動(Intra-company Transfer)」では、出向先であるベトナム子会社が当該外国人と労働契約を締結することは認められていません。また給与の直接支払いも禁止されているため、子会社が支払った給与は個人所得税の課税対象となる一方で、法人税上の損金算入が否認されるという税務上の不利益が発生する可能性があります。
この制約を踏まえた実務的対応策として、代表的な方法は大きく2つ考えられます。
一つ目は、親会社と子会社の間で「出向契約(出向合意書)」を締結する方法です。この出向契約では、親会社が自社社員を子会社へ出向させる旨を明確に記載し、労働契約は引き続き親会社との間に存続することを確認します。そして、子会社が親会社に代わって給与を立替払いするスキームを採用します。子会社が給与を立替払いする際、親会社が子会社へ請求する権利の条項を設け、立替給与分と相殺する仕組みを契約上で明確化することが重要です。こうした合意を契約書で定めることで、ベトナム子会社側で実際に給与を負担しつつ、法人税上も損金算入の要件に近い取り扱いを目指すことができます。
二つ目は、管理職報酬制度を活用する方法です。外国人駐在者や管理職クラスの従業員については、子会社の定款および内部規程に基づき、取締役や執行役員などの管理職報酬として支給する制度を整える選択肢があります。
いずれの方法を選択する場合も、単に給与を支払うだけでなく、制度の趣旨やベトナム法令との整合性を適切に検討する必要があります。また、給与の支払主体と経済的負担主体を明確に区別することが、税務リスクや社会保険上の追加コストを回避するうえで極めて重要です。

こちらの専門家に解説していただきました

弁護士法人 ベトホ:ブイ・ホン・ズオン氏
ブイ・ホン・ズオン

ベトナム国弁護士・和解調停人・破産管財人
・Mail:Duongbui@betoho.vn
・Tel:0967-246-668

基本情報

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※05月13日発行号時点

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