本記事は、ベトナムやベトナム人に起こる出来事を多彩に切り取り、解説するコーナーです。
ベトナム南部のホーチンミン市ではコロナ感染拡大防止対策で激減した外国からの観光客と未曾有の困難に直面した観光関連業界の復活、復興を目指して新たなガイドラインの策定が早急に求められている。
観光回復のため、ホーチミン市の観光業界は外国人観光客受け入れの準備は整っているとし、市内には34のホテルに6800部屋が用意されているという。さらにこれまでの定番観光地に加えてトゥードゥック市、ビン・チャイン、ホック・モン地区への観光ツアーで古いサイゴンを学ぶこともできるという。ブンタウ沖のコン・ダオへの高速ボート・ツアー、ヘリコプター・ツアーも用意されていることを強調して早期の規制緩和のガイドラインの提示を求めている。
ベトナム・ニュースなどによると、現在ベトナムに観光のために訪れる外国人には6カ月以内の予防接種あるいは感染からの回復を証明する書類を提示するほかに、航空機搭乗前に迅速抗原検査では24時間以内、PCR検査では72時間以内の陰性証明書が必要となっている。さらにベトナム到着後3日以内で観光開始前に再びPCR検査での陰性証明が求められており、観光業者はこの到着後検査の撤廃を求めている。
こうした厳しい水際対策の影響もありホーチミン市の観光の回復基調は2022年第4四半期までは難しいとの見方もあるが一刻も早い観光業の起死回生を祈りたい。
大塚智彦(フリーランス)
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞ジャカルタ支局長などを経て2016年からフリーに。月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などに東洋アジア情勢を執筆。
※本コラムは、筆者の個人的見解を示すものであり、週刊ベッターの公式見解を反映しているものではありません。