落語の最高峰とも称される志の輔師匠。そのハノイでの5回目となる公演「志の輔らくごInハノイ」が10月18日に「インターコンチネンタルウエストレイクホテル」で開催され、約400人が公演に参加した。
落語の鑑賞自体が初めてという観客も多い中、前半は落語の面白さの解説や最新の話題を交えた話で、会場は大きな笑いに包まれた。後半は、江戸時代を舞台とする古典落語が行われ、観客はその迫力と静寂との対比に引き込まれていた。ハノイ在住の日本人にとっては、日本の伝統芸能である落語を身近に感じられる貴重な機会となった。2人の弟子による落語や富山県出身の歌手Tomomiさんによるパフォーマンスも披露された。
今回のハノイ公演にあたって、志の輔師匠は「現在は体力的に毎年ハノイでの公演を行うことは難しいが、いざ現地に到着すると海外在住の人々に出会うことへの喜びを感じた。落語は「すべてお客さま次第」の芸能だ。お客さまがストレスなく落語を楽しめるように公演に全力を注ぎたい」と語っていた。
以下、志の輔師匠から弊誌読者へのメッセージ。
「日本にいると縁がなかった方でも、ベトナムにいるからこそ落語に興味を持つこともあると思います。私は、地元にいた当時よりも上京した後に、地元富山のことがよく分かるようになりました。同じように、ベトナム在住の方には、海外から見た日本の良い点を発信してもらえるとうれしいです。」