日本でも有名な「JCB」が、昨年2021年6月にASEAN事業創造部をシンガポールに設置しました。ASEANを成長マーケットと捉え、ベトナム・インドネシア・フィリピン・タイなどのアジア各国で、国としてのキャッシュレスに貢献し、消費者の決済活動をより便利にしていく活動を通して、さらなる事業の拡大を目指しています。
今回は、その一環としてフィンテック企業「Soft Space」と資本業務提携した話を中心に、ASEAN営業部部長片野氏にインタビューをしました。
Contents
「JCB」がASEANで挑戦する理由とは
ASEANを戦略的需要マーケットとして捉えている「JCB」
- ASEAN自体が人口・経済ともに成長しており、ポテンシャルの高いマーケットであること
- 決済という観点において、銀行口座、クレジットカードを保有している人がまだ少なくビジネス機会として成長余力があること
- ASEANの人々は日本に対してポジティブな考えを持っていて、日本企業であるJCBが価値を提供できると考えているからです。
新規事業創出のための活動をするシンガポール拠点のASEAN事業創造部
ただ、既存の組織に新たなミッションとしてこの領域を動いてもらうのではなく、より自由に動き、新しい発想で考えられるようにという発想で今回、日本から2名を送り込み、独立した組織、新しい部署を作りました。
マレーシアのフィンテック企業「Soft Space」と資本業務提携!その真意は
このたび、JCBはマレーシアのクアラルンプールに本社を置くフィンテック企業である「Soft Space」へ約5百万USドルを出資するとともに、マレーシアでのJCBカード発行および加盟店獲得業務に関するライセンスを付与したことを発表しました。
ASEANの新規ビジネスの一つとして、マレーシアのフィンテック企業「Soft Space」へ投資を実施し、取り組みを開始
特にASEANは銀行口座の保有率やクレジットカードの普及率が低い一方で、スマホの普及率は高いため、「Soft Space」が持つ技術を使い、スマートフォンを使ったマーケティング施策のような新しいソリューションが提供できると評価しています。
ASEANマーケットにおける今後のチャレンジと展望について
「Soft Space」の取り組みを通じたASEANマーケットに対する意義
「Soft Space」の持つフィンテックの技術力とJCBの持つネットワークを掛け合わせて、マーケティング施策を行うことをASEAN全体で推進したいと考えています。
ASEANのキャッシュレス推進という社会的意義の元、JCBがASEANの中で存在感を増すことを目指していきたいです。
今後の展望
また外部との連携により、JCBとしての足元のクレジットカード事業拡大と、中長期的には新規ビジネス創造のための戦略を並行して進めていきます。
今回の「Soft Space」との資本業務提携を機に、ASEANの他の国々でも、新たなビジネスの機会を模索しているJCB。クレジットカード事業においては、すでにベトナムでも多くの加盟店を抱えていますが、今後のベトナムにおける新規ビジネスの展開に目が離せません。
Asean_business_development_department(連絡先はこちら)
Asean_business_development_department_representation@jcb.co.jp
基本情報
JCB Co., Ltd.(ASEAN事業創造部)
連絡先 | ASEAN事業創造部 Asean_business_development_department_representation@jcb.co.jp |
・その後国際展開を行い、その後国際カードブランドを運営する日本で唯一の企業として世界を舞台に様々な事業を展開。
・世界中でJCBカードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、国内外のパートナーとJCBカードの発行を拡大。
・現在JCBカードはアジア地域を中心に、1億4,000万人以上の会員に利用されている。