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【ベトナムのシン層 | Vol.31】ベトナム、コロナ検査不要に 海外からの観光客の訪問に期待

本記事は、ベトナムやベトナム人に起こる出来事を多彩に切り取り、解説するコーナーです。

ベトナム政府は5月15日から、海外からの国際便が到着する全ての空港で外国からの入国者に対するコロナ感染検査(陰性証明書の提出)を実施しない方針に踏み切った。背景には約2年間に及ぶコロナ禍で国内の観光業者、航空会社、ホテル関係業界などが厳しい苦境に追い込まれ、国民生活、経済も低調になったことがあり、今回のコロナ検査の撤廃で新たな雇用創出など起死回生に打って出たいとの思惑があるとみられている。

東南アジア各国もコロナ規制の緩和策を次々と打ち出しており、ベトナムも遅れまいとして、13日にヴー・ドゥック・ダム副首相が首相府による「外国人らの入国時にコロナ検査停止を命じる」書類に署名し、15日から全国で適用されることになった。

ベトナムでは3月15日以来国民のワクチン接種率が増え、同時に感染者数、感染死者数も減少に転じていることなどから、新規入国者の入国前検査を決めたものだ。一般的な保健省のコロナ感染防止対策に従うことはこれまでと変わらず求められ、航空会社や地方自治体は保健省のガイドライン遵守が前提となる。

ベトナムは3月15日に海外からの入国者に関して出国前のコロナ検査で陰性である人は入国後のコロナ検査と隔離措置が免除となるが入国後に感染症状が出た場合には医療機関への報告が義務づけられるとの方針を明らかにしていた。

今回ヴー・ドゥック・ダム副首相が署名して発効する措置は、3月15日のこれまでの措置をさらに一段と緩和するもので、関係業界や地方政府も大きな期待をその効果に寄せている。

この措置により、今後ベトナムを訪問する観光客、ビジネスマンなどが一層増加して、コロナ禍前の活況に一日も早く戻ることを祈りたい。

大塚智彦(フリーランス)
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞ジャカルタ支局長などを経て2016年からフリーに。月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などに東洋アジア情勢を執筆。

引用元:thesaigontimes.vn
※本コラムは、筆者の個人的見解を示すものであり、週刊ベッターの公式見解を反映しているものではありません。

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