労働許可証の取得などで必要になる健康診断。日本とは医療環境の異なる海外だからこそ、健康状態は定期的にチェックしておきたいもの。定期健診は会社負担での受診が一般的ですが、より詳細な検査を望む場合は国内外で受診するなどさまざまな選択肢があります。近年では、ベトナム国内で日本と同水準の健康診断を受診できる環境も整ってきています。
健康診断に関わるベトナムの法制度
東南アジアの先進国であるシンガポールやマレーシアでは、定期健診が普及しつつありますが、あくまでも自主健診が中心です。それに対し、ベトナムは新興国であるにも関わらず、労働者への定期健診が義務化されている珍しい国です。
ベトナムでは2012年以降、雇用主に対し労働者への健康診断が義務付けられました(労働法第152条)。そのため日系企業では、法律で定められた基礎的な検査については会社負担で提供し、その他に追加されたオプション検査については従業員個人に負担させているところが多くなっております。
ベトナムの定期健康診断について
ベトナムで定期健診を受ける場合、会社が指定する病院で年1回の健診を受けるのが一般的です。その内容は通常、血液検査やX線検査など全身状態を把握するものとなります。ほとんどのオフィス事務所では、総合病院や健康診断専門クリニックに行って受診しますが、工場など場所によっては、医療機関からスタッフを派遣してもらい会社で受診する方法もあります。
日系クリニック・病院での定期健康診断について
ベトナムの日系クリニックや病院では、一般的な検査から、腫瘍マーカーやエコーなど総合的にチェックするものまで、さまざまな健診プログラムが用意されています。中には、健康診断後に数値結果や総評を日本語のレポートで知らせてくれるところもあります。
日本人駐在員の定期健康診断事情
タイやシンガポールといった近隣諸国に比べてベトナムの医療水準はまだ決して高くないため、駐在員の中には一時帰国の際に定期健康診断を受診する人がまだ一定数見受けられます。一方、ベトナムにも年々外資系の医療機関が増えており、現地の医療機関も通訳を雇用するなど外国人向けのサービスに力を入れてきて結果、言葉の壁なく受診できる医療機関の選択肢が増えてきています。
現地での健康診断を検討されている方は、複数の医療機関から見積もりを取り、価格だけでなく検査項目やレポートの言語、再検査の際のフォローアップなどさまざまな観点から受診機関を決めることをオススメします。病気の早期発見や早期治療のために、年に一度は定期健診を受けるようにしましょう。
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