ビンロン省(旧ベンチェ省)で行われたあるご近所カップルの結婚式の写真が、SNS上で話題になっている。その理由は花婿が自転車で花嫁を迎えに行く、という可愛らしい演出にある。花婿のズイさんの実家から花嫁のチャンさんの実家までの距離は、わずか250m。当初は両家とも利便性を考え、花嫁の家まで歩いて行く予定であった。だがこのわずか250mという距離をどのように移動したらよりドラマチックになるかと考えた新郎新婦は、愛と友情を育みつつ、生涯忘れられない思い出を残すべく、自転車を使うことを選択した。
当日はまず、新郎の家族が贈り物のお盆を自転車に載せ、新婦の家へと向かった。贈り物の儀式を終えると、10人のグルームズマンは、お盆を運ぶ10人のブライズメイドたちを各々自転車に乗せ、結婚式が執り行われた新郎側の家へ連れて行った。結婚式用の伝統衣装を身にまとい、計11台の自転車に乗って通りを駆け抜ける新郎新婦、ブライズメイドとグルームズマン、自転車を囲むように笑顔で歩く親族一同、立ち止まって写真を撮る沿道の人々やその場に居合わせたカフェの客など、通りは活気と温もりと喜びに満ちていた。ベトナム文化に根付いた日常の中の非日常は、斬新でありながら親しみ深い。特別感を演出しつつ、シンプルかつ伝統的で、人々との深い絆を重んじる結婚式にしたいという新婦の願いが見事叶えられた。派手さはないが、皆が共に幸せな瞬間を共有できる、コミュニティの繋がりを感じさせる結婚式となった。

こんにちは、バオです。フフリット大学日本語学科を卒業してVetterに入社。現在、日本語検定のN1取得に向けて猛勉強中。常にポジティブで、周囲の人を楽しませたいという性格。趣味は料理や映画鑑賞、そしてヨガ。週末は、料理をしたりカフェにいったり市内をサイクリングしたりして過ごす。日本人のベトナム愛がもっと高まるために、現地でホットなニュースや流行、有益なトピックを毎日探してます。もっとベトナムに興味を持ってもらえるようにネタ探しがんばってます!


































