2023年の産業全般と塗料市場の概要
2023年上半期、世界情勢・経済の不安定さに改善は見られず、塗料、印刷インク、紙、プラスチックなどの分野にも大きな影響を及ぼしました。受注の大幅な減少や生産の停滞が続き、明るい兆候が見られないまま、上半期を終えました。下半期には国内経済が安定し、外国からのベトナムへの強力な投資も始まりました。同時に多くの民間プロジェクトが仕上げの段階に入り、不動産市場や建設市場も次第に安定、活気を取り戻しました。しかし同時に企業には、人件費の上昇、原材料価格の高騰への対応が求められました。
専門家らは2023年下半期、いくつかの産業に回復の兆候が見られると評価していました。まずは建設グループ、特に社会住宅を建設する企業が安定し、工業団地不動産市場が好転するとの見解がありました。これは政府が2030年までに100万戸の社会住宅を提供する開発計画を承認し、年間数十億ドルの投資が予定されていることを考慮した予測です。建設資材や塗料などの関連産業にも良い兆候が見られると考えられています。次いで銀行業界、消費財生産業も付加価値税（VAT）の引き下げ・還付など、政府からの強力な支援を受け、活気を取り戻すと予想されています。
複合的な要因により市場の塗料価格は上昇傾向に
市場の傾向は、当然塗料の価格にも反映されます。不動産の回復と年末に向けた建設需要の高まりに伴い、塗料メーカーは価格の調整が正当化されると考えています。塗料メーカー各社はこの市場の動きを先読みし、技術のアップグレードと、ユーザーや環境に害をなさない安全で高品質な製品の開発と提供に力を注いできました。消費者の信頼度をより高め、価格を調整しながら多様な製品を提供しようという動きが浸透しているようです。
基本給の引き上げとそれに伴う社会保険、健康保険、失業保険、労働組合費等の上昇によって、人件費は上昇しました。さらに人件費だけでなく、原材料価格の持続的な高騰による燃料費、輸送費、広告費などの高騰、生産設備のアップグレードや営業ツールへの投資などのニーズの高まりもあり、企業はコスト面で大きな課題を抱えてきました。各社生産プロセスの最適化、リソースの最大限の活用、新しい技術の導入などを通じて、コスト削減と利益維持のために努力を続けています。
引用元： europaintvietnam.vn 2023年11月8日
