現在上映中のベトナム映画『Đào, phở và piano(桃とフォーとピアノ)』が公開直後から大ブームになっている。映画館のチケット販売サイトへのアクセスが集中して予約システムは麻痺、観客がチケットを入手できないほどの人気となり、各映画館、連日上映回数を増やすなどの対応を余儀なくされている。映画館には「並んだが入れず、次の回まで待つ」という人もいた。
同作の大ヒットは、ベトナム映画史における大きな転機といえる。この映画は商業目的で制作された作品ではなく、国の依頼によって制作された。そのため他の映画作品のような広報PR活動もほとんど行われず、予告編すら作られていない。それが映画のワンシーンを録画編集した短い動画がTikTokなどで拡散されてSNSで話題となり、高評価のレビューが集まり、ついには予約システムを麻痺させるほどの大ヒット作品となった。
ポスターでも予告編でもなく、SNSの短い映像が観客の行動に大きな影響を与えることは、もはや驚くべきことではないが、商業目的ではない映画がここまで人気を博するとは誰も期待はしていなかったであろう。SNSによって巻き起こった全国の観客の期待に応えるべく、現在同作はホーチミン市を始めとする全国各地で、Beta Cinemas社、Cinestar社のネットワークを通じて公開されている。観客の多くは学生層で、SNS上では引き続き映画の脚本や作品に込められたメッセージに対する白熱した意見交換が続いている。
こんにちは、バオです。フフリット大学日本語学科を卒業してVetterに入社。現在、日本語検定のN1取得に向けて猛勉強中。常にポジティブで、周囲の人を楽しませたいという性格。趣味は料理や映画鑑賞、そしてヨガ。週末は、料理をしたりカフェにいったり市内をサイクリングしたりして過ごす。日本人のベトナム愛がもっと高まるために、現地でホットなニュースや流行、有益なトピックを毎日探してます。もっとベトナムに興味を持ってもらえるようにネタ探しがんばってます!