フーニャン区ファンディンフン通りの小さな路地の入り口に1950年から続く珈琲店がある。この店を切り盛りするのは、ダン・ゴック・コンさん(83歳)とファム・ゴック・トゥエットさん(78歳)オーナー夫妻。先々代から3世代に渡り年中無休で営業してきたこの店の伝統を、3代目店主は今もひた向きに守り続けている。
この店の特徴のひとつはオーナー夫妻が馴染みの農園から仕入れるアラビカ種、ロブスタ種、クリ種、モカ種の4種類の豆を独自に調合、焙煎したオリジナルブレンドコーヒー。先々代によると、大胆な味わいと香り高さが魅力のこのブレンドは、華僑の間に伝わる特殊なブレンドであり10年ほど前にベトナムに持ち込まれたとのこと。抽出方法はネルドリップ。サーバーとネルフィルターを煮て、フィルターが熱いうちにコーヒー粉を入れ、沸騰したお湯を注いで蒸らす。その後数回に分けてお湯を注ぎ、滑らかでコクのあるコーヒーをドリップしていく。その仕草や使い込まれた道具に歴史が感じられる。
メニューはカフェスダー、バックシウ、高麗人参を混ぜたジンセンコーヒーの3種類のみで価格は1万4000~1万6000VND。コーヒーの美味しさと、店主とコーヒー通の常連客たちが長年守り続けてきた落ち着いた店の雰囲気が魅力で、毎日たくさんの人が訪れる。特に混雑する午前中は店の前に列ができ、客の多くは路地の壁にもたれてコーヒーを飲んでいるが、店主は気にする様子もなく、自分のペースでコーヒーを淹れている。
こんにちは、バオです。フフリット大学日本語学科を卒業してVetterに入社。現在、日本語検定のN1取得に向けて猛勉強中。常にポジティブで、周囲の人を楽しませたいという性格。趣味は料理や映画鑑賞、そしてヨガ。週末は、料理をしたりカフェにいったり市内をサイクリングしたりして過ごす。日本人のベトナム愛がもっと高まるために、現地でホットなニュースや流行、有益なトピックを毎日探してます。もっとベトナムに興味を持ってもらえるようにネタ探しがんばってます!