北部ニンビン省、2014年に「チャンアン複合景観」として世界遺産に登録された同地に今年6月末、スターバックスの新店舗がオープンした。ニンビン省初の店舗となるスターバックス・チャンアン店は、チャンアンを巡るボートツアーの船着場の入り口にあり、チャンアンと古都ホアルーを訪れる多くの観光客を温かく迎えてくれる。
国際的大手ブランドが文化遺産地域に進出する上で、周囲の環境との調和は、非常に重要な課題。チャンアンの自然景観を損なわず、周囲の自然との調和を維持することをコンセプトに設計された店舗は、ニュートラルカラー、木材とガラスを基調としたスターバックスの特徴的な要素はそのままに、瓦の屋根や木の梁といったディテールを取り入れることで地域色をプラスしたデザインとなっている。素朴でありながら洗練された雰囲気で高級感が漂う。建物自体の魅力だけでなく、まさにチャンアンの正面玄関ともいえる好立地も、同店舗の知名度の向上に大きく貢献している。チャンアン店は毎日午前7時から午後6時まで営業しており、早朝到着する人たちのニーズも満たしている。
瓦や木材といった日本古来の建築素材が使われていることもあり、SNSで店舗の写真が拡散されると意外にも「まるで日本のスターバックスのよう」という反応が多く寄せられた。緑の大地と山々、青い海と空を眺めながらコーヒーが楽しめる同店は、訪れる人によって日本のカフェのようにも、山小屋カフェのようにも感じる、不思議な魅力を有している。
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