ベトナム人社員を採用するフロー
STEP 1 人材募集
大きく分けて自社のホームページやベトナム人向けメディアなどで募集するケースと、人材紹介会社を通じて募集するケースがあります。求人に必要な情報とは、仕事内容、職種、給与など、こちらが希望する条件がしっかり伝わることが大事です。人材紹介会社に依頼する場合であっても、求人を出すこと自体には費用はかかりません。
STEP 2 書類審査
応募者から直接、あるいは人材紹介会社を通じて、履歴書や職務経歴書などの書類が送られてきます。それらを検討し、面接したい候補者を選びます。
ローカル人材の応募書類は多くの場合、英文。日系企業の場合、日本語の書類が提出されるケースもあります。逆にベトナム語のみのケースはレアと言えます。
STEP 3 面接
面接の回数は大体1〜2回です。人材紹介会社を通した場合、紹介会社側でも事前面接を行って、採用側の条件などをあらかじめ伝えてくれるため、ミスマッチが少ないというメリットがあります。
社内での面接の場合、HRの部門が現地にない場合には、募集部門の上司に当たるディレクターが直接面接から採用を担当することも珍しくありません。面接から内定までの期間は一般的に1〜3週間とされています。
STEP 4 内定
それぞれの条件が合い、ある程度入社の合意ができれば候補者に対して「内定通知(オファーレター)」が出されます。「内定通知書」には法的な拘束力はありませんが、実際に入社したときの「雇用契約書」のベースとなる情報が記載されます。
一般的には「給与」と「入社日」が記載されていることが望ましいとされています。また各種手当を含む福利厚生についても明記があるとより良いでしょう。
一方、候補者には入社に必要な書類を準備してもらいます。必要な書類とは、まずID、それ以外は企業によりますが、健康診断書、卒業証明書、仕事内容によっては日本語能力検定試験の結果を求めるケースもあります。
STEP 5 入社
内定から入社までの期間は短くて2日程度、長くて1カ月、ほとんどは一週間程度が多いようです。上でも述べたように、入社日には「雇用契約書」を交わします。
ベトナムでは試用期間は60日間までと法律で定められており、試用期間の契約書を別に用意するケースもありますが、それほど多くはありません。
ベトナム人(英語話者)の給与イメージ
・営業職・技術職新卒 8,000,000VND
・年齢20代前半から中盤 10,000,000VND~16,000,000VND
・20代後半から30代前半 15,000,000~30,000,000VND
・営業・技術職 マネージャー(30代)25,000,000~40,000,000VND
・GM、Director 60,000,000から100,000,000以上
※日本語話者は上記に2,000,000~3,000,000追加
圧倒的に多い転職理由は「給与」
ベトナム人の転職に対する意識調査をみると、その理由で圧倒的に多いのはやはり「給与」です。従来、ベトナムの日系企業はその点においてアドバンテージがあると考えられていました。
今でも多くの企業はその評価を失っていませんが、一方でIT人材の市場に関しては他国の企業がかなり有利な条件をオファーしてきていることも事実です。
優秀なIT人材を採用したいならば、募集に関してはその点を考慮することが求められるでしょう。
心がけたい採用プロセスの「スピード感」
ベトナム人の採用にあたり、心がけたいのが「スピート感」です。優秀な人材ほど同時進行で複数企業の選考を受け、複数社から内定をもらっているケースが一般的です。
日系企業は社内の調整などで時間がかかる傾向がありますが、優秀な人材ほど採用プロセスから会社の意思決定の早さを判断しており、遅いと他社に流れてしまう場合もあるため、面接から採用まで1週間以内に終えることが望ましいです。