サイゴン川沿いのトンドゥックタン通りにあったバソン造船所は、かつてはインドシナ最大の造船所であった。1790年に建設された同施設は、ホーチミン市で最も古い海事遺産のひとつとされている。都市開発計画によって造船所は2016年にバリア・ブンタウ省へ移転されたが、一部の遺構は現在もそのままバソン駅近くに残っている。メトロ1号線の開通によって交通アクセスが利便化し、駅周辺を散策する観光客の目に留まったことをきっかけに、草や苔に覆われ、人々の記憶からも消えつつあったこの歴史的建築物は、多くの人々が興味を抱き、訪れる場所へと変化した。
旧バソン造船所まではバソン駅から徒歩で行くことができる。日中から夕方にかけて多くの人々が造船所の見学や撮影、散歩に訪れる。また敷地内からはサイゴン川やバソン橋の全景を望むことができるため、ライトアップされたバソン橋の風景が楽しめる穴場夜景スポットとして、夜になっても人が絶えない。
旧バソン造船所の建物の周囲や外壁には苔や草が生い茂っていて、かつて壁面に書かれていた造船所のサインも剥がれ落ちている。近代的な高層ビルや高級マンションの間にありながら、まるでそこだけ時間に取り残されたような独特の景観がノスタルジックな雰囲気を醸し出し、若者たちの撮影意欲を刺激しているようだ。警備員によれば、このエリアは現在立ち入り禁止にはなっておらず、誰でも自由に撮影を楽しめるが、建物が老朽化しているため安全には十分注意して欲しいとのこと。
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こんにちは、バオです。フフリット大学日本語学科を卒業してVetterに入社。現在、日本語検定のN1取得に向けて猛勉強中。常にポジティブで、周囲の人を楽しませたいという性格。趣味は料理や映画鑑賞、そしてヨガ。週末は、料理をしたりカフェにいったり市内をサイクリングしたりして過ごす。日本人のベトナム愛がもっと高まるために、現地でホットなニュースや流行、有益なトピックを毎日探してます。もっとベトナムに興味を持ってもらえるようにネタ探しがんばってます!