ハティン省には、ミカン類の一種「カムブー(cam bù)」を、強烈な匂いがあることで知られる海老を発酵させた調味料「マムトム(mắm tôm)」につけて食べる独特の名物料理「カムチャムマムトム」がある。
カムブーは、ハティン省フオンソン県で栽培される特産品の柑橘類で、旧暦の12月から1月にかけて収穫される。カムブーは酸味と甘味が程よく調和したやさしい風味が特徴で、果汁も豊富。フオンソン県の人々は、このカムブーをマムトムと組み合わせて楽しむ。食べ方は非常にシンプル。カムブーの房を一つずつ取り出し、レモンや唐辛子で風味を調えたマムトムに浸して味わう。地元の人たちは「この2つを合わせることでマムトムの濃厚な風味がカムブーの酸味を和らげてくれ、新しい味わいを生み出す」と話す。
カムチャムマムトムは主にフオンソン県の人々のみに食べられており、他の地域ではこの食べ方はあまり知られていない。この組み合わせに対して「体調に注意を払う必要があるのではないか」などと一部の人々は抵抗を感じているようだが、フオンソン県の人々は日常的にこの食べ方を楽しんでいて、健康上も特に問題はないとしている。
ベトナムには、果物の甘味を際立たせるために果物にムオイオット(塩、唐辛子、ニンニク、砂糖を混ぜたつけ塩)やエビ塩などを付けて食べる文化があり、つけ塩の種類は地域によって少し異なる。フオンソン県の独特な食文化は、地域の伝統と味覚の多様性を示す興味深い例のひとつといえる。

こんにちは、バオです。フフリット大学日本語学科を卒業してVetterに入社。現在、日本語検定のN1取得に向けて猛勉強中。常にポジティブで、周囲の人を楽しませたいという性格。趣味は料理や映画鑑賞、そしてヨガ。週末は、料理をしたりカフェにいったり市内をサイクリングしたりして過ごす。日本人のベトナム愛がもっと高まるために、現地でホットなニュースや流行、有益なトピックを毎日探してます。もっとベトナムに興味を持ってもらえるようにネタ探しがんばってます!