ハノイのホアンキエム区ガムカウ通りにある小さなフォー店に行列ができている。SNSの情報によると、1杯のフォーのために空いている時でも15分程度、時間帯によっては45分から1時間は待つことを覚悟で行く必要があるという。
この店はフォー愛好家の間では有名な店であり、地元客にとっては非常に馴染み深い場所であった。Trần Thị Thu Hàさんが営む「Phở Mặn(しょっぱいフォー)」は3年間にわたり営業を休止していたが、テト明け後に満を持して営業を再開。このニュースを聞きつけ、早朝から店の周りの席と駐車スペースは注文の順番を待つ客、座席を確保しようとする客で溢れた。
「Phở Mặn」のフォーの特徴は店名の通り、塩味が強く濃厚な透き通ったスープが特徴。麺がすっかり隠れるくらいに大きな肉が器全体を覆っていて、薄くスライスされてはいるが、十分な満足感が得られる。麺は新鮮で柔らかめ。コシのある麺が好きな人は店の人に一言伝え、硬めにしてもらうと良いかもしれない。価格は1杯5万〜8万VNDと少々高めだが、ファンは多い。閉店時には「Phở Mặnがなければ、ハノイのフォー市場は味気ないものになる」と多くの人に惜しまれただけに、今回の再開の情報はハノイのグルメ通たちをざわつかせた。塩味の強さには賛否両論あるものの、名店の多いハノイのなかでも注目される一軒であることは間違いない。3年間の休業期間を経て戻ってきた店の人と馴染み客の雰囲気もまた味わい深い。
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