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【ベトナムのシン層 | Vol.24】ムエタイ世界チャンピオン SEAゲームで優勝目指す

本記事は、ベトナムやベトナム人に起こる出来事を多彩に切り取り、解説するコーナーです。

ムエタイはタイ発祥のキックボクシングに似た格闘技でベトナムでも極めて盛んなスポーツの一つである。

グエン・チャン・ズイ・ニャット選手はムエタイの世界チャンピオンに8回もなったベトナムが誇るムエタイの王者でもある。しかしズイ・ニャット選手は2年に一度開催される東南アジア競技会(SEAゲーム)ではこれまで一度も表彰台に立ったことがないという。今年5月に開催予定のSEAゲームは地元ベトナムのハノイ開催で、プロ転向がうわさされるグエン選手にとっては最後の挑戦になるといわれており、ズイ・ニャット選手は日曜日を除いて毎日8時間の練習、10キロのランニングを自らに課して猛練習を続けており、メダル獲得への執念を見せているという。

SEAゲームは1959年にタイで第1回大会が開催され、以後2年ごとに東南アジア各国が持ち回りで開催している。ムエタイは発祥国タイが強く、2009年の大会ではズイ・ニャット選手はタイの選手に敗北を喫しており、以後5回のSEAゲーム出場にも関わらず表彰台には上がれない状態が続いている。これまでの対戦から学び、ズイ・ニャット選手はベトナム国民の大きな期待を背に必勝、メダル獲得に邁進している。

5月のSEAゲームでズイ・ニャット選手はムエタイ競技の60キロ級にエントリーしており、タイ、ラオス、カンボジアの選手との対戦が予定されているという。地元紙にズイ・ニャット選手は「地元開催なので両親や友人が観戦してくれることを願い、メダルの中でこれまで唯一足りないSEAゲームのメダルを取りたい」と意気込みを見せている。頑張れズイ・ニャット選手。

大塚智彦(フリーランス)
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞ジャカルタ支局長などを経て2016年からフリーに。月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などに東洋アジア情勢を執筆。

引用元:danviet.mediacdn.vn
※本コラムは、筆者の個人的見解を示すものであり、週刊ベッターの公式見解を反映しているものではありません。

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