テト(旧正月)前になると、ハノイや近隣の省から多くの客がフンイエン省を訪れる。彼らの目当ては「ドラゴンチキン」ことドンタオチキン。レンガのように太い足を持つ希少な品種であり、独特の色と味わいがある肉はもちろん、脚も珍味として非常に高く評価されている。グレードの高い個体は1羽当たり日本円にして20万円以上の高値がつくこともあるため、富裕層の人々にテトなどの特別な日の贈答品やご馳走として愛されてきた。
フンイエン省ドンタオ村は何百年にもわたりこの希少な鶏を飼育してきた地域であり、その地名がこの品種の名称にも使われている。古くは王族への貢物として献上されてきた品種であり、ベトナム政府は過去30年にわたり、純血種の遺伝子を保存するプログラムを実施してきた。現在ベトナム国内には純血種のドンタオ養鶏場がいくつもあり、毎年何万羽もの鶏を市場に供給している。
ドンタオチキンは、標準的なもので体重4 kg程度。体重の約1/5を占める大きな脚だけでも約15万VND、鶏肉は1kg当たり約25万VNDで販売される。贈答用の場合、足の肉付きのみならず羽の光沢、トサカやアゴの下の肉垂の形まで吟味される。Aグレードの個体には数千万VNDの高値が付くが、美しい鶏を育てるためには、餌から飼育環境まで養鶏家たちの並々ならぬ努力が欠かせない。しかし標準的な産卵率が低く病気にかかりやすいこともあり、純血種はますます希少になり、富裕層にとっても手の届きにくい商品になりつつある。
編集ライターB?o
こんにちは、バオです。フフリット大学日本語学科を卒業してVetterに入社。現在、日本語検定のN1取得に向けて猛勉強中。常にポジティブで、周囲の人を楽しませたいという性格。趣味は料理や映画鑑賞、そしてヨガ。週末は、料理をしたりカフェにいったり市内をサイクリングしたりして過ごす。日本人のベトナム愛がもっと高まるために、現地でホットなニュースや流行、有益なトピックを毎日探している。もっとベトナムに興味を持ってもらえるようにネタ探しがんばってます!
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