【ベトナムのシン層 | Vol.26】古都フエの評判グルメ フエケーキの魅惑の味

本記事は、ベトナムやベトナム人に起こる出来事を多彩に切り取り、解説するコーナーです。

ベトナムの古都フエにグエン王朝と庶民が受け継いできた歴史的なグルメが残り、観光客の心とお腹を満足させている。特に近年はスウィートの人気が高まっているという。その名も「フエケーキ」と呼ばれるバンベオ、バンナム、バンボットロック、ブンボーなどは人気である。

バンベオは砕いたエビとタマネギなどを炒め、ムール貝と合わせたご飯のようなもので、庶民の味といわれている。バンナムは長方形のバナナの葉にくるまれたエビと米粉のケーキで、バンボットロックは豚のバラ肉、タピオカ、エビのケーキで代表的な「フエケーキ」と言われ、人気が高い。

グエン王朝の歴代王は朝食の時に食卓には35もの皿が並べられたといわれてほどグルメだったといわれている。19世紀初頭から太平洋戦争終結の1945年まで13代続いたグエン王朝では中部ベトナムの独自の文化が育まれ、フエ料理を確立。スウィート以外にも蓮の実のチャーハンである「コムセム」や麺類の「ブンボーフエ」などがある。

比較的に濃い目の味付けが特徴で南部や北部の薄味とは一線を画し、ベトナム人の間でもファンが多く、ホーチミン市などにも「フエ料理」を掲げているレストランもあり、いつも多くの客で賑わっている。

米粉を水で溶き蒸した料理などのグエン王朝の宮廷料理は飾り付けや盛り付けも芸術的で料理の味をひきたてている。こうした伝統的な料理に加えてフランス統治時代に影響を受けたフランス料理の影響も加わり、東南アジアでも有数のグルメ大国となっているのだ。

大塚智彦(フリーランス)
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞ジャカルタ支局長などを経て2016年からフリーに。月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などに東洋アジア情勢を執筆。

引用元:thanhnien.vn
※本コラムは、筆者の個人的見解を示すものであり、週刊ベッターの公式見解を反映しているものではありません。

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