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【ベトナムのシン層 | Vol.30】ホーチミン市の歴史的な遺跡 文化と歴史を学ぶ格好の場

本記事は、ベトナムやベトナム人に起こる出来事を多彩に切り取り、解説するコーナーです。

ホーチミン市やその周辺にはベトナムを代表する歴史的遺跡や遺産が多く残されており、中央政府や地方自治体の肝いりで整備、保存も進められている。そして老若男女、国内外からの観光客の魅力的スポットとなっているほか、若者たちにはベトナム史を学ぶことができる観光の場所となっている。

ビンタイン地区のバー・チウ市場に隣接する場所にはレ・ヴァン・ズゥエット元帥(1764~1832)とその妻ド・ティ・ファンのために建造された歴史的寺院がある。レ・ヴァン・ズゥエット元帥はベトナム全土を最初に統一したとされるグエン王朝(阮王朝)の初代グエン皇帝や2代目のミン・マン皇帝に仕えた人物で、ベトナム人の間でも善政を執り行ったミン・マン皇帝とともに人気のある歴史的人物とされている。

歴代グエン王朝の皇帝の多くが中部フエに墳墓があるが同元帥はホーチミン市に眠っている。寺院は18,500平方メートルという広大な土地で4つの門がル・ヴァン・ズゥエット通り、ファン・ダン・ルウ通り、チン・ホアイ・ズゥック通り、ヴ―・トゥン通りにそれぞれある。

毎年ル・ヴァン・ズゥエット元帥の死を悼む式典が同寺院では執り行われ、一般市民や外国人観光客そして歴史を学ぼうとする多くのベトナム人の若者が訪れて、ベトナム史とベトナム人英雄の事績に触れて、歴史を知る機会となっているという。

コロナ感染もようやく出口がみえてこようとしており、政府などの後押しで国内や外国人の観光客の移動もかつてのように自由になりつつある中、是非同寺院も訪れてベトナム史にも触れてほしい。

大塚智彦(フリーランス)
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞ジャカルタ支局長などを経て2016年からフリーに。月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などに東洋アジア情勢を執筆。

※本コラムは、筆者の個人的見解を示すものであり、週刊ベッターの公式見解を反映しているものではありません。

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