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2026年ベトナム軽工業の展望:持続可能性と付加価値向上で新局面へ|調達&ビジネスガイドブック2026

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ベトナム商工省は2026年の工業成長目標を10%超に設定しました。繊維や食品などの軽工業では、環境規制への対応やデジタル変革を通じた「質」の向上が、国際市場での競争力を左右する鍵となります。

繊維・履物産業の構造改革とグリーン化

ベトナム繊維アパレル協会(VITAS)は、2026年の輸出目標を前年比約8%増の490億から495億米ドルに設定しました。業界は従来の生産量重視から、高付加価値製品への転換やブランド構築といった「成長の質」を重視する方針へ舵を切っています。ベトナム繊維アパレルグループ(Vinatex)会長のLe Tien Truong氏は、国家の経済成長目標達成には2026年までに業界の貿易黒字を240億米ドル以上にする必要があると指摘しています。
また、ベトナム皮革靴・ハンドバッグ協会(LEFASO)副会長兼事務局長のPhan Thi Thanh Xuan氏は、持続可能な成長のためには自由貿易協定(FTA)の活用と、グリーンで循環型の生産モデルへの移行が決定要因になると強調しました。原材料の現地調達率向上も優先課題です。
さらに、日用品を支えるプラスチック業界でも、外国直接投資(FDI)を背景にしたハイテク化が加速しています。2026年の環境規制施行を見据え、環境負荷の低い製品への生産体制の刷新が、サプライチェーンにおける生存戦略となっています。

食品・水産業の成長と海外市場の不確実性

食料品製造の拠点であるホーチミン市では、2026年の食品産業の成長率を二桁台に乗せる目標を掲げています。消費者の関心が価格から品質や安全性へと移る中、「グリーン・クリーン食品」への需要が新たな成長の原動力となっています。
一方、水産物輸出は回復基調にあるものの、不透明感も漂います。ベトナム水産物輸出生産者協会(VASEP)事務局次長のLe Hang氏は、2026年1月の輸出額は前年同月比30.6%増の10億1000万米ドルに達しましたが、これはテト(旧正月)の時期のずれによる季節要因が大きく、米国市場の動向が懸念材料であると分析しています。
米国では2026年1月1日より、海洋哺乳類保護法(MMPA)に基づき、同等の保護基準を持たない国からの水産物輸入を禁止しました。これに加え、関税政策の変動がコスト増を招くリスクがあり、米国税関・国境警備局(CBP)は2026年2月24日より国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税徴収を停止するものの、依然として15%の税率が適用されるなど、政策の不確実性が収益性を左右する状況です。

デジタル変革と消費市場の成熟

ベトナム商工省(MOIT)は、2026年の工業全体の成長目標を10%超とし、生産効率の向上とコスト削減、自由貿易協定(FTA)の有効活用による輸出拡大を推進しています。デジタル化は製造現場のみならず消費市場でも深化しています。
市場調査機関Cimigoによれば、2026年の消費トレンドは「価値重視」と「デジタル活用」がさらに成熟し、オンラインショッパーの80%が主要な電子商取引(EC)プラットフォームを利用しています。また、ライブストリーミングによる購買経験者は63%、動画からの直接購入者は53%に達するなど、デジタル接点が購買決定の主流となりました。
投資面では、2026年1月の実行ベースでのFDIは前年同期比11.26%増の16億8000万米ドルと好調な滑り出しを見せており、その多くが製造・加工業に集中しています。商工省のNguyen Sinh Nhat Tan次官は、投資プロジェクトの効率的な実施や国内ブランドの競争力強化を通じ、消費と生産の好循環を狙います。
産業界全体で進むデジタル変革と、FDIによる高度な技術移転が、2026年の経済成長を支える強固な基盤となることが見込まれています。

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