ハノイから約120kmのクックフォン国立公園は、日常の喧騒から一時的に逃れて自然を楽しみたい人々に人気の観光地。多様な生態系から成るベトナム最古の原生林を有する同公園に一歩足を踏み入れると、まるでスタジオジブリの世界に迷い込んだかのような錯覚に陥る。
4月から5月にかけて、クックフォン国立公園は蝶の季節を迎える。400種以上の蝶が一斉に現れ、深い森の中で、きらめく絹のリボンのような群れを形作る。雨上がりに、柔らかな日差しが木々の間から差し込む静かな空間のなか、白や黄や青の何千匹もの繊細な蝶がひらひらと自由に飛びまわったり、遊歩道や湖畔に群がって止まり鮮やかな色の羽を休めたりしている様子は実に幻想的で、訪れる人たちは現実世界であることを思わず忘れてしまいそうになる。
クックフォン国立公園の魅力は蝶だけではない。傘のように大きな葉を持つタロイモの木、何人もの大人が手をつないでようやく囲めるほどの太い幹を持つ巨大な望天樹の木などが作り出す荘厳な空間のなかを一歩進むたびに、自然の力と不思議な懐かしさが感じられる。また夜になるとホタルが飛びまわり、魔法の光の世界、ミニチュアの宇宙が作り出される。ここにはWi-Fiも仕事も街の喧騒もない。聞こえるのは鳥のさえずり、風の音、そして稀に訪れる静寂だけ。森のなかでテントを張り素朴なキャンプ飯を楽しめば、1泊2日の短い旅でも十分に自然に囲まれた生活の奥深さを体験しながらリフレッシュすることができるだろう。

こんにちは、バオです。フフリット大学日本語学科を卒業してVetterに入社。現在、日本語検定のN1取得に向けて猛勉強中。常にポジティブで、周囲の人を楽しませたいという性格。趣味は料理や映画鑑賞、そしてヨガ。週末は、料理をしたりカフェにいったり市内をサイクリングしたりして過ごす。日本人のベトナム愛がもっと高まるために、現地でホットなニュースや流行、有益なトピックを毎日探してます。もっとベトナムに興味を持ってもらえるようにネタ探しがんばってます!