国内および世界の食肉市場の状況と今後の予測

米国農務省(USDA)は、2025年の「家畜と家禽」報告書で、世界の食肉生産と消費は1%未満減少し、国際豚肉貿易はより活発になると予測しています。この影響を受けたベトナム市場の予想は下記のような点が上げられます。

ベトナム国内市場の情勢

・アフリカ豚熱(ASF)の防除能力が向上すれば豚群の拡大が見込まれるため、ベトナムの豚肉生産量は3%増加し、380万トンに達する。
・2025年のベトナムの豚肉生産量は3%増加し、380万トンに達すると予測されている。ベトナムの肉および肉製品の輸出は、豚肉の輸入が減少。 
・2024年の第3四半期には、ベトナム国内の食肉市場に大きな変動はなく、供給は常に消費者の需要を満たしている。
・養豚業は依然として成長を続けているが、2024年9月に北部で起きた暴風雨3号とアフリカ太平洋地域の影響により大きな損失。
・現在、小規模農家が生産する豚の生産量は35~40%に減少し、専門の家庭や農場が生産する豚の生産量は60~65%。動物衛生局の勧告によれば、病原体が依然として潜伏しており、小規模畜産農家被害のリスクが高いとされる。
・特に旧正月期間中の需要と供給のバランスを確保するには、豚肉の供給を10~15%増やす必要がある。供給を確保したいのであれば、病気の予防が必須条件となる。
・2024年10月、ベトナム国内の豚(生体)の価格は、地域によって差はあるものの1kgあたり61,000〜69,000ドンの間で変動。

2024年第3四半期の輸出状況

・ ベトナム税関総局の暫定統計によると、2024年第3四半期にベトナムは5.3千トン、2,485万ドル相当の肉および肉製品を輸出し、量で14.4%、金額で4.2%減少した。 2023年第3四半期と比較すると、数量で8.4%、金額で12.4%減少。
・ベトナムの食肉および食肉製品は主にアジア市場に輸出されており、そのうち最大の輸出先は香港市場。輸出総額の46.57%、金額で62.52%を占める。
・2024年第3四半期の主な輸出先は他にベルギー、米国、フランス、カナダなど。中国、ラオスにも輸出されている。

2024年第3四半期の輸入状況

・ ベトナム税関総局の暫定統計によると、2024年第3四半期にベトナムは221.16千トン、4億7,331万ドル相当の肉および肉製品を輸入し、量で2.5%、金額で14.7%増加。2023年の第3四半期と比較すると、数量では4.2%増加、金額では0.8%減少した。
・2024年第3四半期には、インド、米国、ロシア、ポーランド、オーストラリア、韓国、ブラジルがベトナムに食肉および食肉製品を供給する最大の市場となる。インド、オーストラリア、韓国、米国からの輸入量は増加したが、他の市場は減少した。
・2023年の第3四半期と比較すると、米国とポーランドからの輸入が大幅に増加した一方、他の市場は減少。
・2024年の第3四半期、ベトナムは3,201万トンの豚肉(HSコード0203)、7,251万米ドル相当を輸入し、2024年第2四半期と比較して量で17%増加、金額で18%増加した。ただし、2023年の第3四半期と比較すると、数量で32.4%、金額で39%減少。
・豚肉輸入は2024年5月から現在まで再び増加する傾向にあり、2024年第3四半期にはブラジル、ロシア、カナダ、ドイツ、オランダがベトナムへの主要な豚肉供給市場となる。このうちブラジルはベトナムへの豚肉供給量が11.8千トン、2,804万ドル相当の最大の市場であり、第2四半期と比べて量で9.6%増加、金額で16.9%増加した。 ただし、2023年の第3四半期と比較すると、数量で43%、金額で45.6% 減少。
・今後のベトナムの食肉供給は基本的に国内消費需要に見合ったものとなるため、食肉および食肉製品の輸入が急激に増加することはないと予想される。
・今後の輸入肉および肉製品は主に家禽の肉および食用副産物となるだろう。

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