ハノイには12か月の各月を象徴する花がある。3月はホアスア(hoa sưa)の月。ホアスアは市内随所で見られるが、今年はホーチミン博物館の隣のカフェが一番人気の撮影スポットになっていて、最初からこの場所を目的に訪れる人だけでなく、通りすがりの人々も皆立ち止まって写真を撮っていく様子がうかがえる。同カフェの敷地内にあるホアスアの木は樹高が高く、側方にゆったりと枝を広げ、大きな白い傘のようにカフェの上空を覆っている。カフェの敷地の2/3以上をホアスアの木が占めていて、真っ白な花房と葉の間から優しく陽が差し込む風景が、街の中心にあるこのカフェを風情ある隠れ家に変えている。この店で撮影した写真はSNS上で絶えず共有されており、美しい純白のホアスアの木と一緒に写真を撮ろうと、多くの若者がカフェの前に列を作り、店内も写真を撮る人々で混雑している。
ホアスアの花の季節はとても短く、数日前には満開であったかと思えば、白い花房はあっという間に散り、絨毯のように歩道を覆う。小さな花びらが風に舞い、肩や髪に優しく落ちる光景を見ると、この花が「熱帯の雪」と呼ばれる理由がよくわかる。香りが弱いため見逃しがちだが、ゴックハー通り、キンマー通り、ファンディンフン通り、タインニエン通りなど、ハノイ市内には毎年3月になると白い熱帯の雪に覆われる通りがたくさんある。冬の終わりのまだ冷たさが残る空気も、ハノイの少し曇った空さえも、ホアスアの純粋な美しさを引き立てているようだ。

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