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ベトナム自動車産業は 「脱ガソリン車」で東南アジアの新拠点へ|調達&ビジネスガイドブック2026

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2026年、ベトナム自動車産業は歴史的な転換点を迎えます。特別消費税の改正や新政令によりハイブリッド車を中心に市場が急拡大し、欧州勢の現地生産も相まって製造ハブとしての地位を盤石にしていきます。

税制改正が促す「エコカー」への劇的転換

2026年1月1日から施行される改正特別消費税法などは、市場に大きな地殻変動をもたらします。特に注目すべきは、自己充電型ハイブリッド車(HEV)への大幅な減税措置です。ガソリン車と比較して、HEVの税率が70%相当に引き下げられることにより、車両価格は最大で1億ドン(約60万円)程度も低下する見込みです。この劇的なコスト低減は、価格面から導入を躊躇していた中間層の購買意欲を強く刺激するでしょう。
トヨタ自動車・ベトナム(TMV)やホンダ・ベトナム(HVN)などの日系メーカーは、この好機を捉えて主要車種のハイブリッド展開を加速させており、2026年は「ハイブリッド普及元年」として記憶されるはずです。
また、この優遇策は単なる販売促進ではなく、政府が掲げる2050年の排出実質ゼロ目標に向けた具体的な布石でもあります。燃料消費量に基づいた新たな課税体系の導入により、環境性能に劣る旧来型の内燃機関車からの脱却が官民一体となって推し進められています。

欧州勢の参入と現地生産ハブへの進化

ベトナムが東南アジアの新たな製造ハブとして台頭する動きも鮮明です。2026年には欧州車メーカーによる現地組み立て(CKD)が本格化します。特にチェコのSKODA(シュコダ)は、クアンニン省のタインコン工業団地(TC Group)内の拠点を本格稼働させ、欧州基準のEVやハイブリッド車の供給を開始する予定です。
公布された政令第199/2025/ND-CP号は、現地生産支援の輸入関税免除や優遇措置を拡充しており、外資の投資を強力に誘致しています。これにより、単純な組み立てから、高付加価値な部品製造や技術移転を伴う高度な産業構造への転換が期待されます。
ベトナム自動車工業会(VAMA)の試算によれば、生産能力の拡大は周辺産業の裾野を広げ、2026年までに部品調達率(ローカライゼーション)の飛躍的な向上が見込まれます。こうした製造業としての競争力強化は、国内市場のみならず、ASEAN域内への輸出拠点としての地位を盤石にするでしょう。

輸入車攻勢と国産競争力の維持に向けた課題

一方で、2026年の市場は輸入車との激しい競争にも晒されます。域内からの完成車(CBU)に対する関税撤廃が続く中、タイやインドネシア産の安価な車両が流入し、国内生産車を圧迫する懸念は拭えません。しかし、ベトナム政府はこれを逆手に取り、環境規制の厳格化とグリーン車両へのシフトを加速させることで差別化を図る戦略です。
実際の市場の関心は、すでにガソリン車からPHEVやEVへと急速に移っています。消費者の意識変化も顕著であり、環境性能だけでなく維持費の低減を重視するビジネス層の選択が市場を牽引しています。2026年に向けた各社の動向を俯瞰すれば、ビンファスト(VinFast)によるインフラ拡充や、外資による電動化モデルの投入が市場の成熟を如実に物語っています。
内需の拡大と輸出産業としての成長、環境負荷の低減という三兎を追うベトナム自動車産業にとって、2026年は真の自立に向けた「試練と飛躍の年」となるに違いありません。

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