ベトナムには少数民族を合わせると、全部で54民族が住んでおり、それぞれが独自の伝統文化を継承しながら生活をしています。ハノイから近いタイグエン省にタイ族が暮らす集落があるというので訪ねてみました。
旅の総評
ハノイ市内からタイグエンまでの道のり
旅程
9:00 | ハノイ市内を車で出発 |
11:00 | タイグエンタイグエン市内Thai Hai村到着 |
11:30-12:30 | タイ族が経営するレストランで昼食 |
12:30-14:00 | タイ族の村を散策、タイ族の家で演奏、踊りを鑑賞 |
14:00-16:00 | タイグエンからハノイへ |
タイ族の生活について
タイグエン省にあるタイ族が暮らす村を訪問しました。黒い民族衣装がタイ族の特徴で、腰の部分には色あざやかな小さなボンボリをアクセサリーとしてつけています。またシルバーネックレスを家族からプレゼントされる風習があり、そのネックレスを一生身につけて生活をするそうです。
村には約120世帯が生活しています。私たちが村に入ると、案内役の女性が竹製の太鼓を打ち鳴らして、周囲の村人に来訪者が来たことを知らせます。住居は高床式で、木と竹でできています。
家に迎え入れてもらうと、女性と男性は別々に座るように指示されました。
待っていると年長の女性が入ってきて、ご先祖を祀る仏壇に来客があったことを報告しました。その後、タイ族の女性たちによる歌と楽器の演奏のもてなしを受けます。曲は来客の「幸せと安全」をお祈りするものだそうです。
今晩は泊まってはどうかとお誘いいただきましたが、予定がありましたので、丁寧にお断り致しました。ちなみに宿泊料は一泊2万ドンだそうです。自給自足が基本の彼らにとって貴重な現金収入となります。
ベトナムの民族について
ベトナムは54の民族を持つ多民族国家です。それぞれの民族が、独自文化、言語、風習を持っています。公用語のベトナム語は、ベトナム人口の86%を占めるキン族の言語であり、優雅で美しい「アオザイ」もキン族の民族衣装です。
今回の取材対象の「タイ(Tay)族」は、ベトナムで二番目に人口が多い民族です。160万人ほどと言われていますが、全人口比では2%足らずです。その他の民族はさらにもっと少ないです。
平野部や大都市には、キン族が多く住んでいますが、少数民族の多くは、北部や中部域の山岳地帯に住んでいます。多数を占めるキン族が耕作しやすい土地を確保したことで、その他の少数民族は、山岳地帯に追われたためと言われています。山岳地帯は、平野部との往来がしづらく、キン族との交流も限定的で、現在もそれぞれの民族は独自の文化、言語、風習を持ち続けています。
ある少数民族は、外国人観光客の接客のため英語を話せる人がいる一方で、ベトナム語は話せないという人もいるのが実情です。
都市部、平野部に多く住むキン族は他の民族と比較して経済的に豊かです。
タイ族を含む少数民族は、耕作地が乏しく、貧しい暮らしの人が多いのが現状です。
しかし、キン族による少数民族の差別等の問題は起きていません。外国人を含む他民族ともフレンドリーな関係を築ける柔軟な思考がキン族に備わっているように思えます。
北部山岳地帯や北中部に多く住み、稲作に従事している。
多神論を信仰し、祖先崇拝の風習を保っています。
死んだ人は、別世界で生き続けると考えられていて、葬式は死んだ人を天に送る儀式として催されます。
服装は、黒色の大きめなものですが、腰のあたりに鮮やかな赤またはピンクのボンボンをつけているのが特徴的です。
ハノイから約80km、クルマで1.5時間のところに、「Thai Hai」というタイ民族の村があります。高床式の民家が30軒ほど集まった小さな集落で、貴重な現金収入を得るための観光客向けのレストランや高床式民家の宿泊施設もあります。
住所 | Khu du lịch Thái Hải, Thịnh Đức, Thành phố Thái Nguyên, Vietnam |
電話番号 | 0208.3901862(ベトナム語) |
ウェブサイト | http://thaihai.vn/ |
総括
今回訪れたタイ族の村では、観光客向けにリアルな生活ぶりが見学できるように解放されています。
伝統服装を着用し誇り高き民族の風習を、何世代も受け継ぐ彼らの日常生活を見られたことは、貴重な経験となりました。
ベトナムでは、経済発展が続き、今後は山岳地帯の少数民族とキン族、または外国人との交流がさらに増えるものと思われます。
それによって個々民族固有の文化、言語、風習が、失われる可能性があります。
多様な民族もベトナムの魅力です。
「タイ族」をはじめ少数民族の伝統文化が、引き続き、継承されることを心より願いたいです。
行きやすさ★★★★
美味しい度★★★
泊まってみたい度★★★★