【ベトナムのシン層 | Vol.20】コロナ渦医療関係者の合同結婚式 業務多忙で延期のカップルに朗報

本記事は、ベトナムやベトナム人に起こる出来事を多彩に切り取り、解説するコーナーです。

2月20日、ホーチミン市の第175軍病院は華やかな雰囲気に包まれた。コロナ感染者の治療などで多忙な医療関係者を対象とした合同結婚式が執り行われたのだ。コロナ禍で結婚式を挙げる時間的余裕がなく、挙式を延期したり断念したりしていた医療関係者のカップルには嬉しい「プレゼント」となった。

合同結婚式の様子を伝える現地メディアによると、チュオン・ホア・ビン元首相をはじめ省元幹部、ベトナム女性連合議長、ホーチミン市幹部などが参列し、行政も全面的にバックアップしたイベントとなった。

会場となった第175軍病院の広場ではファッションデザイナーによるベトナムの民族衣装である「アオザイ」のファッションショーの加えて著名な音楽家などによる演奏会、パフォーマンスなども開催され、医療関係者の新郎新婦による門出を祝った。

同病院で働く男性医療関係者は地元メディアに対して「2021年5月に妻とは結婚式を挙げる予定だったがコロナの急速な感染拡大により多忙となり、式は延長せざるをえなくなった。今回病院で合同の結婚式があると知り即座に応募した。今日ここにいるカップルの全員は幸せである」と喜びを語った。

「パルス・オブ・ライフ(命の脈動)」と名付けられた今回の医療関係者のための合同結婚式にはベトナム社会と国民のコロナ最前線で闘う医療関係者への感謝と尊敬の思いがこめられているといえるだろう。

大塚智彦(フリーランス)
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞ジャカルタ支局長などを経て2016年からフリーに。月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などに東洋アジア情勢を執筆。

※本コラムは、筆者の個人的見解を示すものであり、週刊ベッターの公式見解を反映しているものではありません。

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