宗教上のタブーが少なく基本的に食事の制限もないベトナムでは、取り立てて気にすることなく生活ができるでしょう。とはいえ、文化や習慣において日本と異なる点もあるため、以下の点を気に留めておきましょう。
◯食事のマナーについて
食事するときに、「器に口をつけてスープを飲むこと」と「音を立てて麺をすすること」は、ベトナムでは行儀のよくないこととされるため、あまり好ましくありません。道端のローカル店を利用する際は、スプーンやお箸が清潔でない場合もあるため、食事前に卓上のティッシュで拭くのが一般的です。
席につくと提供されるウェットティッシュは、有料の場合がほとんどなので、請求されても慌てないようにしましょう。
年長者を敬う文化
儒教の影響から敬老の精神が根強いベトナム。食事の場面で、目上の人に料理をすすめたり、バスで年配者に席を譲るなど、日常の光景として自然に行われています。◯意外とレディーファースト
フランス植民地時代の影響もあり、アジアでは珍しく都市部を中心にレディーファーストが浸透しています。タクシーやエレベーターの乗り降りで女性を優先したり、重たい荷物を代わりに持つなど、自然に振る舞うベトナム人が多くいます。
◯プレゼントで避けるべきもの
ハンカチは、ベトナム語で「困難」という意味の「Khan」と発音が同じのため、贈りものには不向き。もらった人がお金を渡して「買った」ことにするケースもあるほどです。さらに男女間で贈る場合は、「ハンカチ=涙を拭く」を連想させることから「別れよう」の意味になりますので、ご注意を。鏡も「割れる」ことから避けられます。
乳児を褒めてはいけない

知人の出産祝いなどで、ベトナムの赤ちゃんに会うこともあるだろう。そんなときに気をつけたいのが、「褒めることはNG」ということ。「かわいいね」「元気だね」などという言葉は、日本では赤ちゃんに会ったときの決まり文句だが、ベトナムでは赤ちゃんのときに褒められると、将来反対のことが起こると考えられており、特に「よく食べるね」「大きくて元気だね」などの健康に関わる言葉は要注意。
◯数字の縁起を気にします
「縁起のいい数字・悪い数字」があるベトナムで、もっとも好まれる数字は「9」です。商売上で縁起がいいのは「8」で、逆にいちばん嫌われるのは「3」、特に「13」という数字には日本よりも抵抗感が強く、建物の13階を作らないために、「12A階」「12B階」と12階を2つ作っているビルもあるほどです。
※ベトナムの正月「テト」の時期には、さらに特有の習慣がありますので、「国の概要・年中行事」のページをご参照ください