日本の建築・施工技術の発信の場で、活発な意見交換も行われる

ベトナム、日本の建築分野における情報発信や意見交換を行う「日本・ベトナム建築フォーラム 2016」が9月27・28日、「メリア・ハノイ・ホテル」で行われた。「一般財団法人国際建築活動支援フォーラム」と「公益社団法人日本建築家協会」、「株式会社デルファイ研究所」が主催し、ベトナム建設省が共催した同イベントは、国土交通省が進める「国際展開事業」の一環となっている。

28日に行われた「フォーラム」の来賓スピーチでは、国土交通省の海堀安喜審議官が登壇。「日本が培った設計や施工のノウハウによる、質の高いインフラ整備の取り組みを、ベトナムと日本とで共同で進めたい」と話した。一方、ベトナム建設省建築計画局局長のHo Chi Quang氏は日本の支援を期待する分野として、街づくりや構造設計、離島・山岳地帯での建築などの項目を挙げ、日本との技術提携や人材育成に期待感を示した。

プレゼンテーションでは「住まい・街づくり・環境~Cross Collaboration~」をテーマに、ベトナムと日本の建築界の第一人者4人が、自社の設計、建築事例を紹介した。うち「日本設計」取締役の福田卓司氏は、事例の1つとして建物全体を緑化した「アクロス福岡」を紹介。時間の経過とともに緑が濃くなり、ヒートアイランドの抑制効果があったことを報告した。「Vo Trong Nghia Architects」のVo Trong Nghia氏は、1人に割り当てられる緑の面積が約1㎡と、世界的にも少ないハノイの現実を紹介しつつ「1つ1つ緑化した住宅を建て、最終的に大きな緑の都市景観を作りたい」とのビジョンを述べた。

その後はパネルディスカッションと質疑応答が行われた。「日本の建築方法は、ベトナムから見ると高品質過ぎると思えるほど」との指摘に、「大成建設」国際設計部長の前田康貴氏は「建物を長年使う中で、メンテナンスに手間をかけないという視点で設計や工事を行う」と長期的な視野の重要性を訴えた。行政や住民とともに「流山おおたかの森」小中学校を設計した「シーラカンス」取締役の大村真也氏は「建築に詳しくない住民とともに、どうやって施設を作りあげられたか」との質問に対し、「設計段階から加わってもらい街を良くすることで、当事者意識を持ってもらった」と話した。

このほか有意義な質疑応答や意見交換が行われ、ベトナムの建築二―ズをふまえた日本の建築設計や施工技術などを、十分に発信できたイベントとなった。

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