高城剛『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』(集英社、2016年)

岡崎匡史(おかざきまさふみ)。大学院で博士号取得後、放浪生活を経てシンクタンク勤務。社会になじめず再び学問の世界へ。著書に『日本占領と宗教改革』『文系 大学院生サバイバル』『国際開発と内発的発展』などがある。

「観光」という言葉は、中国の古典『易経』に由来しており「国の光を観る」という意味だ。風光明媚(めいび)な美しい場所は、価値を生み出す。しかし、光があれば影もある。
2016年12月に「IR整備推進法」が可決・施行され、日本でもカジノが解禁となる。日本におけるカジノは、観光の光、それとも影になるのか。
日本がカジノで手本とすべき国はシンガポールだ。1965年の建国以来、シンガポールはカジノを禁止してきたが、2004年に3代目首相リー・シェンロンが就任してから、カジノ解禁へとかじを切った。
シンガポールの場合、カジノ運営およびお客も外国人。その利益の一部を国家が吸い上げる。シンガポール人がカジノに入る際には、高い入場料を支払わなければならない。自国民から、お金を吸い上げるのではなく、外国人にお金を落としてもらう。シンガポールのカジノ運営は非常に賢い。
日本で想定される最悪なシナリオは、外国企業がカジノを運営し、ターゲットの客層が日本人となることだ。パチンコ業界の市場規模20兆円を、外資のカジノが奪いとる構図ができあがる。
日本企業や政府が介入したとしても、賭博に狂うのが日本人であったら意味がない。このようなゆがんだ構図は、国家と国民の一体感を喪失させ、日本を弱くするのではないか。
賭け事は、胴元が必ず勝つ。カジノ必勝法は、賭け事をしないこと。日本国民が犠牲にならないよう、カジノが導入されますように。

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