中野円佳『「育休世代」のジレンマ  女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書、2014年)

男と女、どちらに生まれ変わりたい?

安倍政権の成長戦略の一つが、「女性の活用促進」。しかし、女性を「活用する」という発想が、すでに女性の差別的な現状を物語っている。

世界経済フォーラムが作成した統計に「ジェンダー・ギャップ指数」がある。

2016年の世界ランキングは、1位アイスランド。日本の順位を探してみると、下から探したほうが早い。なんと、111位。

日本は学校教育で男女平等をうたい、法律も「男女雇用機会均等法」をはじめ「育児休業法」など、西洋に遜色のないほど法律の文面は整っている。

しかし、「理想」と「現実」には大きな隔たりがある。学校生活では平等だが、社会に出ると男女差別が残っている。ここに女性を苦しめている原因がある。

女性が成功すると、「女性ではじめて」「女性にもかかわらず」というように、「女性」という形容詞がつきまとう。女性は賃金や昇進に目に見えない壁があるだけでなく、結婚や妊娠のため長期的なキャリアを形成しにくい。就職活動にしても、「一般職=女」「総合職=男」という固定観念がある。女性がみずから家事や育児を選んでいるのではなく、社会の構造や圧力、目に見えないプレッシャーがある。

「差別」というのは、差別している人は気づかず、差別されている人は敏感に気付くものだ。日本は女性が活躍しやすい社会なのだろうか。無自覚な男に読ませたい一冊。

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